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きのう見てきた山口県立美術館の「五百羅漢図展」。

もちろん、本物の迫力や展示会場でしか得られない空気感というものはあるのですが、


この図録も素晴らしいです。

(そしてグッズコーナーのオリジナリティには物欲が止まりませんでした。

羅漢様の絵を見た後にも物欲ってなんだそれ)

迫力、圧倒、想像を絶する、無比、そんな言葉がポコポコ湧き上がる、息の止まるような増上寺・五百羅漢図百幅と、

初公開の6幅、

目玉は成田山新勝寺の「釈迦文殊普賢四天王十大弟子図」。

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「七難 震」絵を見た時に、連想したのは3.11でした。

描いた狩野一信は安政の大地震(安政2年)を経験しており、その時の記憶や記録などがこの絵に表されているのではないか、ということでした。


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もともと壁画だったそうですが、明治期に保存のために現在の形に仕立てられたそyです。

(竹中直人さんの音声ガイドはオススメです。羅漢様と竹中直人さんのキャラクターが噛み合って間然するところがない)

東京国立博物館で伊藤若冲の「動植綵絵」30幅を見た時と同じく、圧倒されつつも、絵に中に入り込んで楽しかった。



この展覧会のことは「若冲が来てくれました展」で日本美術史家の山下裕二さんが岩手県立美術館にて、

記念講演をなさったときに紹介していたのですが、

2011年に江戸東京博物館で開催された「五百羅漢 増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師・狩野一信」


ほんとうは3月15日に開催されることになっていたのですが、

準備をしていた3月11日、東日本大震災に見舞われ、

作品の損傷はまぬがれたものの作業は中断し、ゴールデンウィークの4月29日からの開催に漕ぎ着けたのだということが、

図録のはじめに書かれていました。


このお話は講演でも伺いましたが、
その時も思ったのは、東日本大震災の影響を免れないものはないんだなあということでした。

美術や演劇、文学など芸術は現実から遊離していればいるほど魅力に感じていましたが、現実に立脚していたのだということを知ったのです。

スポーツも音楽も、全面的に打ち出していなくても、

3.11の影響を感じさせないものはない気がします。

(ぼちぼちマラソンに行ってきます。

五百羅漢様が背中についている!といういつもの妄想力をスパークさせてなんとか完走したいです!)