息子にiPadを取られたので、iPhoneからちまちま書いておる。

あー、iPadの画面になれるとiPhoneちっちゃ!


(ここからのぞみに乗車して、息子が「進撃の巨人」にうつつを抜かしている間にiPad奪取)

さて、古き良きアメリカ(そうか?)の次に登場したのは、いかにも野暮ったい茶色の着ぐるみのカップル。暴走族のカピバラで、カピバラの背中には「喧嘩上等」「七生報国」の文字があり、


いわゆるヤンキーな方々であられる。エアバイクでぶっ飛ばしているのですが、それまでが古き良きアメリカの優しい死者たちの場面だったのに、

地上最大のネズミ・カピバラたちはいまに生きている(生きている?)。陽気でなにも考えていなくて、いや繁殖欲はあり、よーし、繁殖しようぜ、というところのやりとりは、

も、もしかしたら息子を喜ばせちゃった?と思いながらも、ノーテンキで可笑しい。

「アッシャア家の崩壊」「黒猫」「大鴉」の詩人にして探偵小説の祖、エドガー・アラン・ポーも、酒瓶片手に千鳥足で登場する。

そのポーの詩の大鴉のキャラクターも登場する。

この大鴉がいちばん好きなキャラクターでした。女性なんだけど、黒いヒラヒラした衣装とウェーブのついた長い髪、

妖しげな雰囲気とユーモアのある動きやセリフ。

ポーだったら黒猫さんという手もありだけど、代わりに現れるのは「黒猫」の壁に塗り込められた妻の亡霊。

ポー役の男性は髪型も痩せ加減も、衣装も、創元社推理文庫のポー全集のポーみたいだった(笑)。

ポーは作家だけど、ハックルベリー・フィンは主人公だけで、彼を生み出したマーク・トゥエーンは現れない。

シートンと狼王ロボ(息子は帰りに、シートンを昆虫のひと?と言って仰天させてくれた。それはファーブル、しかもフランスだし!読まないまでも昔の子どもは区別が付いていたと思うけどなあ)、ロボが探し続けるブランク(ロボの最愛の妻)、

最後の方でロボはやっとブランクにめぐり合うのですが、それは意外なキャラクターだった。

老人・ハックルベリーはマーク・トゥエインには出会わないかわりに、最後にまた意外な出会いをする。

あらすじをあらかじめ無効にした感じのお芝居だったし、私もキチンと覚えておこうとは思わないので、この通りじゃなかったかもしれない。


ポーにしても、マリリンにしても、ハックルベリーを描いたマーク・トゥエインにしても、

厭世的というか根の深い人間不信、人間嫌いだし、


ロボはもちろん人間が嫌いだと思います。

そしてほぼみな死んでいる(笑)。

全体に明るい話ではないんだけど、
そこにカピバラのカップルがモコモコの着ぐるみで舞台を駆け巡り、ノワールなキャラクターであるはずの大鴉や、時々現れる謎の道化師は死者たちと絡み合い、

舞台は不思議なパーティ会場のようでもある。

繰り返される、「二度とない、二度とない」。


子守唄のような、鎮魂歌のような、不思議なリフレインでした。



舞台が終わって、劇場を出るところで狼王ロボとすれ違い、

挨拶しました。息子のいちばん気に入ったキャラクターはロボだったので、喜んでいました。

(カピバラは着ぐるみだけど、ロボはヒースクリフみたいな苦み走った感じの役者さんだった)

ではでは☆