きのう行ってきた盛岡劇場では、100周年の旗が何本もたっていました。
辰野金吾・葛西萬司(盛岡出身)の辰野葛西事務所による旧・盛岡劇場の絵は盛岡劇場のロビーにかけてあります。
旧盛岡劇場が大正2年に建てられてから100周年ということでお祭りイベントがつづいておりました。
見てきたお芝居はこちら。
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「衛兵たち、西高東低の鼻を嘆く」
劇団・風紀委員会
観客席が暗くなり、舞台に登場するのはふたりの衛兵。
威張りたい衛兵(隊長?)と、そんな彼にいかにも呆れたといいたい衛兵。
やがて3人の衛兵たちが加わり、5人での行進が行われるのですが、
偉ぶっている衛兵、それに反発する衛兵という構図にくわえて、
その時々でふたりのどちらにつくか、キョロキョロしている3人の衛兵たち。
ところがその主体性のなさを突かれ、3人は主体性のあるところを見せなくては、と互いに張り合いはじめます。
衛兵なのに座ったり、後ろをみて立ったり。
その3人に高い鼻をつけて現れたあの反抗的で3人の憧れの的(なのか?)の衛兵があらわれ、
3人も高い鼻をつけて大喜び。紙製の鳥の嘴みたいなやつなんですけどね。
やがてリーダー気質の衛兵が「名前」をつけることを提案し、
「ナミキ」と名乗り、主体性のない3人も名前を考えて、
憧れの「ナミキ」さんに倣い、ナ行の名前を自らにつけます。
が、このあたりから3人のなかに微妙な格差が広がり、「ナミキ」さんに容姿がにている、やや要領が悪い衛兵がなかなか名前を考えられず、
やっと名前が決まってもなぜかことあるごとに仲間はずれにされ、
次第に不安と焦りをみせるようになり、あのリーダータイプの衛兵にあからさまにいじめられるように。
ところがこの関係も一定ではなく、やがていじめられていた衛兵が反旗を翻し、
…と書くと全然舞台のおもしろさが伝わってこないのですが、どこがおもしろかったのかなあと分析してもよくわからず、
セットがシンプルで暗転はあっても一幕ものでずっとおなじ場所で衛兵たちの「順位」が変わる人間関係の力学を見ているのですが、
衛兵のひとりひとりの個性がわかりかけた頃、自分たちがまもっていたお城は廃墟で、自分たちは衛兵ですらないということに気づいてしまい、
そこから物語は佳境に…。
「誰かに命令してもらうと安心する」「なにかをしていたい」「人間は順位がないと落ち着かない」「故郷は妄想」
そんな日常に潜んでいる毒を架空の衛兵たちが見せてくれる、そういうふうにも取れますが、
見ている間は緊張と笑いの中にいて頭は空っぽでした(笑)。
劇団・風紀委員会のお芝居を見たのははじめてですが、今まで見てきた他の作品と違う個性があって楽しかったです☆
iPhoneからの投稿
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