八代亜紀、なんていうか妖精のようでした。
若作りと思わせない安定のスタミナ、
しなやかな動き、
両腕を大きくひろげて真正面を見る立ち姿のうつくさ。
年齢を感じさせないという言葉がありますが、
八代亜紀はほんとにそんな感じ。
私はコンサートは中島みゆきしか知らないので、
おお、これが演歌の大御所のコンサートか、といろいろ目から鱗でした。
ニューミュージックの女王と演歌の女王、しかし根っこは同じ気もする。片や北海道、こなた九州という両極ですが、通じるものがあるよ。
八代亜紀については、若い頃は美人すぎて厚化粧に思えたけれど、十年くらい前から、
あれ、このひと思っていたより気さくな感じだな、と雑誌のインタビュー記事などで思っていて、
でもきょうコンサートの曲の合間のMCでこんなに可愛らしいひとだったのか~と。
お客さんに語りかける距離感というか、親しみやすさ。
コンサートのバックバンドの紹介や、スタッフの男の子の話、
十年ぶり2度目のブラジルで、前にいった老人ホームを訪れた時の話、
歌う時の声とガラッと違うわけではないのですが、声の出し方が可愛いというか。
口癖のように「可愛いねぇ」と言っていたのも印象的でした。
しかしやっぱり演歌の女王ですから。歌う姿がうつくしく、かっこよく、時に迫力。
ラメの入ったひらひらした透明感のあるドレス。オレンジピンク、ブルー、黒(か濃紺)、白、最後が紫。
虹のように次々と変わるドレスの色と照明。照明がドラマティックでよかったんだまた。
白のドレスで「雨の慕情」のあと、
照明がバッとつよくなって舞台が眩んだようになった、
一瞬で白から紫のドレスに早変わりした八代亜紀が登場し、
「舟歌」。
最高でしたね。
八代亜紀は原点がお父さんが買ってきてくれた一枚のジャズのレコードだったんですって。
お父さんが大好きだったんだなあ。
八代亜紀ファンなら誰でも知っていることかもしれないけれど、
私はきょうはじめて知ることばかりだったので、ひとつひとつのエピソードが興味深かった。
そこで思い出すのがみゆきさん、中島みゆきのコンサートで、
私は長年みゆきさんのファンで、発表された歌はもちろん、DVD、エッセイ集、小説、対談集(に、みゆきさんが載っている)、以前はなみふく(中島みゆきファクラブ会報)も取っていたくらいなので、
はじめて聞くエピソードの方が稀です。
いつも、その話は知っている、ということばかりなのですが、
はじめてみゆきさんのコンサートにきたお客さんにはわかりやすく、親しみやすいエピソードを選んでいるのかも、と思い当たったです。
それにしても、トラック野郎のアイドルだったエピソードはよかったな。なんと最近のコンサートが終わったあと、トラッカーたちが八代亜紀のネオンサインの入ったトラック2、30台を並べ、
なかに20代の若い子がいて、お父さんのアイドルは僕にとってもアイドルです、と言ったんですと。
映画「トラック野郎」はみていないのですが、あの頃の八代亜紀を彷彿とさせるかっこいい歌を黒のドレスでやってくれて、タイトルが思い出せなくて困っている(笑)。
ふりもかっこよくて、極妻の姐さんのようだったなー。
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