「大奥 第七巻」は江戸時代最大の疑獄であった江島生島事件が大きなパートを占め、
男女逆転の世界ですから、女性が男の役を演じ、
夢のようにうつくしい、と、真面目一方だった江島が生島に釘付けとなり…史実とはもちろん違うのですが、
純情な江島に逆に惚れた生島の表情など、
この部分こそ歌舞伎っぽいなあと思うんです。
でも実際には歌舞伎を見たことはなくて、去年の秋にはじめて県民会館でしかも花道寄りの席で見まして、
おお、歌舞伎だ!と感動…。
小さい頃からいろんなところに行って、歌舞伎もミュージカルも、海外旅行も美術館も温泉地も、
一般教養としてわかっているひとも多いんだろうなあ。
しかし私はいい年になってはじめて出会うものがたくさんあるのも悪くないと思うわ~。
もういい年なんだけど、初めてのものに出会う時って、一瞬、幼い子どもの瑞々しさに戻れるからだ。
ぽかんと口をあけて見惚れる。
もし身近に、全然本を読んだことがなかったからいま本を読みはじめて、
「シャーロック・ホームズ」の「まだらの紐」って怖いですね、
という人がいたらきっとこちらもその感激が伝わってくると思う。始めるのに遅すぎることはない。
半分負け惜しみですけどねもちろん。
ということで、「團十郎の歌舞伎案内」。
大学での集中講義をまとめたものだそうですが、
日々舞台に立ち、お客さんに伝えようとしてきた歌舞伎役者だからなのか、市川團十郎さんの資質なのか、
言葉がなだらかで(もちろん黙読だけれど、耳に気持ちのいい言葉のつながり方というのもあるものだ)、語呂がいいし、
歌舞伎についてなにも知らない私でも、わあ!この歌舞伎観たいなあ!という気にさせてくれる。
歌舞伎の家に生まれたことにまつわるエピソードや、お父様のことや、仲間のことや、そういった話も折り込み、
退屈させません。
ところで私は「暫」がずっと謎で!!
ここに写真がありはじめて、
あ、浮世絵のあの「暫」はほんとうだったんだ、と。
「歌舞伎ー江戸の芝居小屋」(サントリー美術館)を見に行ったおり、
「暫」のタイトルの浮世絵がいくつもあり、いったい?と思っていました。
「しばらく」と読むのは分かる。でも「しばらく」ってなに?すごい巧いタイトルだと思うけどどんな?
と思ったら調べればいいようなものですが、
ものすごく残念なことに、私くらい無知蒙昧であると、
知らない!
調べなきゃ!
誰かに聞かなきゃ!
が一日に数百はあってすべて押し流されてゆくのですよ。
結局、私がほんとうに自分の知識にするには本を読むか歌舞伎をみるかだと思う。
ということで…。
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