高校時代、教科書がいちばん薄い倫理社会がすきでした。
暗記ものは苦手なんですが、倫社はいろんなひとの考える方法の展覧会みたいで、楽しく勉強できたんです。
(ふつうは子ども時代がいちばん記憶力がいいらしいけど、
私は子ども時代は憶える要領が分からなくて、今の方が断然物覚えがいいよ~当社比ですが)
ソクラテスの「無知の知」はわかりやすく、日常に活かせる哲学だなあと当時から気に入っていました。
中学から好きだった作家・佐藤愛子さんの「ソクラテスの妻」を読んでいたので、
わー、とうとう本物の?ソクラテス哲学だよ、ソ、ソソクラテスかプラトンか~だよ!
とわくわくしながら授業を受けたものです。
授業のあと図書室の哲学・宗教コーナーから本を借りてさらに勉強…すきだったんだなあ。
ふだんひとと話していても、意見は聞くけど、考える方法や世界の見え方までは話さないから、
倫社は私にとってひとの心や脳みそを解き明かしてくれる教科だったわけで。
で、無知の知ですが。
「新・美術空間散歩」を読んでいたら、
岩手県立美術館(2001)の設計をやった日本設計(にほんせっけい)が、
山種美術館も手がけていたとわかって、うれしい。
また、
十和田市現代美術館(2008)
金沢21世紀美術館(2004)
がおなじ設計者、妹島和世+西沢立衛だとわかり、
やっぱり!と納得したり。
ポーラ美術館の日建設計が東京スカイツリーもやっていたとか、
知っている人にはいまさらのことばかりでしょうが、
わー、知らなかった!
とびっくりしてばっかりだ。
不思議なことに、数年前より美術館についても作家についても、技術や美術史についても、
だいぶ知識を増やしたと思うのですが、
新しく知れば知るほど、
いままでなにも知らなかった自分を発見して、
それが痛快なんです。
私ってほんとうに何にも知らなかったんだあ!って。
「くにこ」で向田邦子を演じた栗田桃子さんが蟹江敬三さんの長女だということも公演が終わってから知ったし、
桃子さんが「父と暮らせば」で平成20年度 第8回朝日舞台芸術賞 寺山修司賞を受賞していることも、
「くにこ」が終わってから知ったし、
「父と暮らせば」はつい数日前に読んで、これを演ったのかあと思ったり。
越後妻有トリエンナーレ2012に行ったときは、バスツアーで回る先々でアートに出くわしてからびっくりしていた感じだったけど、
土日、おもにまつだい農舞台とうぶすなの家を見てきて、
帰ってからいろいろ調べていまさら、ああだったのかこうだったのかなどなど。
知れば知るほど、私ってじつはなんにも知らなかったんだと気づいて行く。
痛快至極。
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