作者の鈴木弘毅さんは昭和48年生まれ。
駅そば歴約30年とあったし、文章が私より年輩の方のような丁寧さだったので、
あれっ!若いなあと思いましたが、
考えたら都道府県の駅そばを食べ歩き記録し、
データ化もするというのは若い証拠かも。
小学校時代、3歳上のお兄さんの影響で日曜日の早朝に釣りをしに公園に通っていた鈴木さんは、
西武池袋線大泉学園駅北口階段下の「狭山そば」(現在はないそう)に立ち寄って朝ごはんにするのが楽しみで、
小学生の1ヶ月のお小遣いの半分に相当する260円という料金とそれに見合う以上の美味しさ。
やがて旅を志向するようになった青春時代、
欲張りな旅のスケジュールのためにたべるものは手軽で時間短縮のできる駅そばになっていたのですが、
それが気がつけば駅そばを中心に旅程を組むほどに…。
この本のおもしろさは鈴木さんの個人的な駅そば体験が先にあって、企画から作られた本ではないと感じさせるところ。
(巻頭はカラー写真ページ。広島の赤うどん、見たーい!)
また、
駅そばをどんなひとがどんな気持ちで打っているのか、そのお店の雰囲気は、駅の周りはどんな様子かなど、
旅のスピンオフライターだけあって、痒い所に手が届く以上の、読んでいるだけで駅そば巡礼の旅に誘われるようです。
やはりその土地の名物のトッピングのはそそられまして、山口のふく天そばや、花巻の賢治そば(賢治はのってません☆)、
山梨・小渕沢駅の「桜肉そば」などなど、キリがないくらい。
一気に読ませ、繰り返し読ませる本だと思います。
今月から読み始めた「ランナーズ」に、47都道府県のマラソン大会に出場し、入賞するという大いなる夢を遂げた男性の記事があり
もちろん、市民ランナーなのですが、もともとの鉄道好きにマラソンという趣味がミックスされての偉業。
私は走りはじめた年齢が遅かったし、もともとが運動全般がダメダメなので入賞的なことは狙えないのですが、
密かにご当地の特産品が冠されているような大会に出て見たいなあとか、
47都道府県に一度は旅する野望もうまく攻略できる大会がいいなあとか、
47都道府県の美術館やタワーや駅スタンプやマンホールも網羅できたらいいなあとか、
どんどんすきなことを繋げてネット状にしてきているので、
本書を読んでいるとさらに駅そばも、と欲が広がるのでした。
鉄道旅や駅そばがすきな方のみならず、コンプリート好きにはたまらない本です。
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