ミュージアムの展示室Ⅰはこんなふうに、
原画とその物語世界を象徴するアイテム引き出しの中に入っているという趣向です。
あの恐竜の玉子は、とか、
ドラえもんの引き出しにはもちろんどら焼き、
ジャイアンの引き出しにはジャイアンサイン色紙、グローブ、ハンサムなジャイアン人形など、
引き出し好きにはたまらない趣向です。
いや、私が引き出し好きなんじゃなくて、ドラえもんが未来からやってくるように引き出しには、
S(すこし)F(ふしぎ)が入っているからでしょう。
S(すこし)F(ふしぎ)とは、先生が考えられたSFの定義です。
パーマンはドラえもんよりもっと前に出会った藤子不二雄作品でした。まだ藤子不二雄という名前さえ意識してなかったかも。
展示室奥の壁面は一面、原画収納庫。
エントランスで借りた「お話電話」(音声ガイド)が原画保管の意義を教えてくれました。
それにしてもどんだけの膨大な原画なんでしょう。
それを先生がすべてアイディアを練って、ストーリーを考え、コマ割りして、アシスタントさんもいたとは思いますが、
ペンを入れて来たんだと思うと、
ありがとうございます、という気持ちに打たれます。
「少太陽」の原画です。
完成度の高さと、当時から一貫して古代生物への興味があって、のび太の恐竜王国までつづいていったのですね。
どこがいちばん見応えがあったかなど、とても決められないのですが、
書斎はやはり格別でした。
膨大な書籍(もちろん一部ですが)が、三階までの高さに積み上げられていて、
その間に先生が収集してきたオルゴールがメロディを奏でながら回転し、
世界を旅したときのお土産のあいだを、すきな鉄道模型が走り、
L字に配された机の一角には大きなラジカセが置かれ、
すきな志ん生の落語のBoxも置かれていました。
書斎ではクラシックと落語を聴きながらペンを走らせ、ネームを考えていらしたそうです。
個人的にうれしかった先生のコレクションのひとつに、
藤田嗣治の少女の絵があります。先生も藤田嗣治がすきで、はじめて求められた絵画作品が藤田嗣治の少女の絵だったということに、
とても言い尽くせない気持ちを味わいました。
棟方志功の書、「夢」の掛軸もすきだったそうです。青森県立美術館でみた棟方志功の書を思い出して、
それだけのことですが、子どもだった頃の自分が知ったらすごくうれしいだろうなあ。
また思い出しながら書き足します☆
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