盛岡市立図書館にて、国際啄木学会理事・森義真さんの講演を聴講してきました。
啄木というと、病気や貧しさ、日本一の代用教員、
というエピソードしか知らなかったので、
渋民の啄木記念館で、
わー、こんなにいまの私たちが読んでも共感できる歌をよんでいたひとなんだ、
と思ったくらいなんですが、
それ以来興味を持っていたので、きょうはさらに啄木に近づくきっかけになればと参加したです。
切り口が「啄木と図書館」で、明治の東京にできた「大橋図書館」や、
その界隈の地図、
また啄木が盛岡市にも図書館を、と、説いたことや、
原敬が市長、県知事に図書館設立を説いて、最終的には県が75000円、原敬も10000円寄付して岩手県立図書館が大正12年に建てられ、
盛岡市立図書館は最初は県立図書館の付属施設だったとか
場所をつぎつぎ移して、現在の場所になったのが昭和26年だったとか、
そういうお話がなんともいえず興味深くて楽しかった。知の楽しさですね。
感銘を受けたのは、国際啄木学会理事という立場もおありだからとは思いますが、
ひとつひとつ、裏付ける資料を元にお話なさっていたことですね。
翻って自分はいつも話すことに典拠をもっているかな、と省みたりして。
講演会のあった集会室には資料の展示もあり、
少し読んでいたら、図書館員の方に貸し出しもできる資料だと教えられ、
さらに川上澄生の本も閲覧をすすめられて大橋図書館のくだりを読んだのですが、
なんておもしろいんだろう、と。
学生時代、分類法演習と目録法演習ははりきってやっていましたが、図書館の歴史的なところは、
そんな昔のことはどうでもいいじゃ、と思っていた無教養な私が、
30年経ったいま、図書館の歴史っておもしろいなあ、
となろうとは。
講師の森義真さんのレジュメや資料の紹介が巧みだったこともありますが、
これもまたひとつのChain of Reading
ということで、
今度図書館に本を返す時に、大橋図書館と啄木の日記も借りたいと思った私でした。
啄木の資料のなかでも、新聞の切り抜きを貼った本がいちばん印象的でした。
資料収集についてもたしかに学生時代習ったんだよなあ。
でも当時は本以外の資料に興味がない野蛮人でして、
郷土資料の収集についても関心がなかった。アルバイト先の図書館でも、郷土資料になっている井上ひさしの本が禁貸出になっているのに納得がいかなかったりして
当時はファンで全部読みたかったので、郷土資料コーナーに別置してあったら
借りづらい。
とまで思ってました。
あーー若さってほんとに馬鹿さに通じるなあ。
きょうはほんとうにいいきっかけをいただいた講演会でした。
私以外はみなさん年配の啄木に興味があり、知識もある教養人ばかりで恥ずかしかったですが、
ま、
ひとりくらい野蛮人がいてもいいかなと(笑)。
ではでは☆
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