映画「天地明察」が良かったので、図書館から和算の本などを借りて読んでいたんですが、
ついに予約していた本を借りて読むことができました( ´ ▽ ` )ノ
「江戸の天文学者星空を翔ける」
副題に「幕府天文方、渋川春海から伊能忠敬まで」とあり、
図版や写真が多く、
いまだに春分と秋分の太陽と地球の位置関係を理解出来ない私でも興味深く読めるのですよ。
(三角関数も40歳で勉強し直して理解できたので、50歳記念に1年かけて小・中の理科をやり直そうかなあ)
著者の中村士さんが「過去に見聞した天文儀器や天体観測記録とそれにまつわるエピソードに重点をおいて書いてみた」ということで、
実際に使われた天文儀器の写真がうれしい。
あー、これこれこれ!とミーハーに喜んじゃいました。
でもいちばん喜んだのはこの「水澤」と、Z。
ちがうZなのですが、私の通っていた小学校は天文台に近かったので、
校歌にも緯度観測所(低学年の頃は井戸を観測してどうするんだろうと素朴に思っていた。井戸がまだ水道と共に使われていた時代なので)は織り込まれ、
木村博士はZ項を発見して、水沢の緯度観測所の測定結果を最初は世界中のほかと違う、間違っているといった海外の天文学者を、
最後には正しかったのは水沢だった、と認めさせるに至った、
というザックリしたエピソードが小学校の中庭の石碑にあって、
(ザックリしているのはそれをぼんやりとしか覚えていない私だが)
コンサートホールの「Zホール」もその木村博士の発見した「Z項」からつけられたんだったと思う。
いまWikipediaで記憶を確認したらザックリは当たっていましたが、
「逆境に立った木村は、恩師の田中舘愛橘とともに天頂儀の全面点検を行った。16項目におよぶ報告書には、観測器械にも観測方法にもなんら欠陥はなかったことが簡潔に述べられている。これで自信を得た木村は、水沢の残差の原因が自然現象にあるのではないかと考えて、世界各地の観測結果を再検討した。そこで各観測所に共通な天文緯度変化が存在し、その大きさが年周的に変化していることを見出したのである。」
の記述に、え!田中館愛橘ってシビックセンターの、日本式ローマ字考案者の、と驚きました。
福田繁雄をめぐるバスツアーではじめて知った田中館愛橘博士がこんなところに…。(たんに私が無知なのでほかの岩手県民はご存知だと思われ)
Z項のZと、この水澤の水沢宿の街道がZに湾曲しているのは関係ないのですが、
Z、
は水沢に生まれ育った自分には特別なアルファベットなんだなあと思ったです。
よしながふみの「大奥」のなかでも吉宗が特にすきだったので、
吉宗が天文将軍」として取り上げられている章はどうしたって、よしながふみの吉宗が浮かぶんですよ。
これも松岡享子さんのおっしゃっていた「Chain of Reading」のひとつの現れであろうかと思います。
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