『ちからたろう』田島征三 絵 今江祥智 文 (ポプラ社)
自分が小学生の頃すきだった民話の一つ。
日本三大太郎といえば、桃太郎、金太郎、浦島太郎ですが、
私は正統派?の太郎より、
ちょっととぼけた味わいの太郎がすきでした。
三年寝太郎とか、この力太郎とか。
『ちからたろう』をはじめて読んだのは3年生くらいで、『メアリー・ポピンズ』や『クマのプーさん』などの岩波英米児童文学にはまる一方で、
民話がすきだったわけです。
田島征三のこの『ちからたろう』が読みたくなったのは、
先日見た岩手県立美術館の「アール・ブリュット・ジャポネ」展に田島征三の作品もあって、
それはコナラのハカマ(ドングリの帽子です)などをつかった、立体作品で、
ああ、『ちからたろう』を読み返したい、と、なぜか強く思ったんですね。
図書館ボランティアの読み聞かせでしばらく2年生がつづくので、
2年生の頃よく読んでいた民話をやろうかなあというのもあります。
『ちからたろう』は東北の民話で、佐々木喜善の「聴耳草紙」にもとられているパターンに手を加えて今江祥智が新しく再話したものだというあとがきにも触発されるものがあり。
桃太郎は家来のイヌキジサルを従えますが、
力太郎は実力でひれ伏させた力自慢の仲間と一緒に化け物を退治し、
3人がみな嫁を取り、村を豊かにしていったという終わり方も新鮮です。
アール・ブリュット・ジャポネ展で受けたものと同質のプリミティブな感覚がここにはあります。
10分と長いお話ですが、2年生の聴く力と、このお話の力を信じて、
ただいま練習中なのでした。
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