みなさんは、
「可哀想なぞう」
って、聞いたことがありますか?
戦時中、動物園の動物たちが食糧のない時代に大量の餌が必要なのと、
空襲で猛獣が街に放たれたら大変だ、
という理由で哀れにも殺されて行く話ですが、
ぞうは皮が厚くて毒の入った針は折れるし、毒入りの餌は食わないしで餓死させることに。
ぞうは餌をもらえなくなっても、いじらしく芸をしてまた餌をくれると思っている、
最後には餓死してしまうのですが、
この悲しい実話を読み聞かせでやることの是非が先だっての勉強会で問われました。
(あまり好きな話ではないのでうろ覚えですみません)
教科書にも載ったんだから、知っておかなくてはならない話なのか、それとも子ども達には朝からヘヴィすぎるのか。
これを実際にやった図書館ボランティアの仲間が、意見を聞かせてください、と言うことでしたが、結論はでなかったです。
で、
前フリが長くなってしまったのですが、
「深夜食堂」。
10Pの掌編の最後の1Pが心憎い。
ハッピーエンドが用意されていることが多い気はします。
オニオンリング山盛りとビールを頼む謎の好青年の正体は、
オリンピック選手!
ずっとお店にこないと思っていたらすきなオニオンリング山盛りとビールを絶っての復活劇。
脇役ばかりの役者が大抜擢にプレッシャーを感じて、せっかくのチャンスを棒に振ったものの、
娘さんが女優として脚光を浴びてうれしい酒になったとか。
ホロリとするオチもけっこうあり、
元アイドルでいまは女優の、頼むものはいつも目玉焼きのせ焼きそば、
という客がいて、
ホームレスの男性がマスターの財布を届けてくれて、お礼がわりの朝ごはんを奢ったところ、
くだんの女優の話になり、その男はじゃあ、今度焼きそばに四万十川の青海苔をかけてやって、もっとおいしくなるから、と教えるんですね。
四万十川の青海苔をかけた焼きそばに驚き、静かに涙する女優。
くどい説明はないからこそ、しみる話です。
かと思えば、
ツキのない客の年末ジャンボ1等換金に行く途中での巻き添え事故に、
このセリフ。
おいおい、全治三ヶ月ですぜ?
と思うけど、この軽さとクールさも好もしい。
いろんなパターンの終わり方があり、ほんとうに勉強になる、
「深夜食堂」なんでした。
真夜中から明け方までやっているので、
思いっきり夜型の客と、朝が早い商売のひとが邂逅することもあって、
そこがまたいい。
深夜と早朝の境界ってどこなんでしょうね。
真夜中に起きているひとと、朝が早い人は似ている気がします。
ではでは☆
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