「マリー・アントワネットの料理人」
白川晶原作 里見 桂 絵
レンタルコミック半額デーに借りてきたものです。
日本からきた小次郎が、どうどう侍言葉でマリー・アントワネットと会話している。
な、なぜ。
ドラえもんのひみつの道具でもつかっているのか。
という大前提は荒唐無稽なんですが、
出てくる料理やことに野菜についてはよく調べられていて、
感心します。
マリー・アントワネットがヒロインですから、
アントワネットが賢く民衆思いだったかのような脚色がなされていて、
その辺はまあ、マンガだもの。
でも知らない人はまさかと思うが、アントワネットは農業をよく嗜んでいて乳搾りもなんなくこなした、
となるのでしょうか。
ってそれはプチ・トリアノン…。
架空のお庭の農業ごっこにどれだけ莫大な税金が費やされたか。
いやそれはもちろん、「ベルサイユのばら」でみんな勉強しているのに決まってる。
当時は毒草と思われていたジャガイモを広めようと努力していて、
マリーアントワネットの髪飾りに紫色の花を勧めたのもルイ16世なのですが、
マリーのお手柄
みたいな話になってますが(笑)。
そんななので、
マリーアントワネットと言えばあのセリフというくらいの、
「パンがなければブリオッシュをたべればいいじゃないの」
というのは民衆の暮らしを全然わかっていない贅沢好きの王妃のノーテンキ発言じゃなくて、
ブリオッシュは二等小麦で、一等小麦でつくるフランスパンより安価についたからだと言われましても。
まじすか?
一等小麦、二等小麦はわかる。製パン性の違い、グルテンの差ですね。
でもなあ、
ブリオッシュってもともとがバターの名産地でつくられたリッチなパンじゃなかったっけ。バターが水なみに安かったのか?
でも、ブリオッシュの価格はパンより安かったもよう。
パンが高いのなら安いブリオッシュを食べればいいじゃないという意味の言葉だったとフォローされましても。
日本では、
プアーピープルは麦を食え、
と言った有名なプレジデントがいましたが、
うーん。
でもやっぱり、
当時のナポリでは手づかみだったとか、フォークは3本で肉を抑えるだけのものだったとか、
おもしろい知識がたくさん詰め込まれているんですよ。
しかし日本から来た小次郎がバターを折り込んだクロワッサンを発明してしまうのですが。
当時の三日月パンはまだいまのようなバターと小麦の層がパラッとしたものではなかったのですが。
と、
ついお節介にも正解はちがうわよーと思ってしまうのですが、
原作者はもちろん全部わかって遊び心でやっているのでしょう。
たぶん(笑)。
マリーアントワネットのイメージがずいぶんアップしました。
が、
このマンガをすべて鵜呑みにしたらそれはちょっと大変かも(笑)。
マンガとして読むと、アメリカ独立戦争との関わりで小次郎がハンバーガーを作ったりと、
ほんとうにおもしろいのですが。
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