「BREAD」は写真はごくわずかで文章が多いんだけど、
訳文がいいのもあって、
その文章がうつくしいんですよー。
一次発酵と折りたたみについての文章。
「…ルヴァン種などの発酵種のみで発酵させるというものは、
一次発酵を2時間~3時間とる必要があります。
生地の折りたたみ回数は、1次発酵の時間と、ミキシングでどの程度まで生地の力がついたかということで決まってきます。
つまり、
ミキシングをやさしく少なめにかけた場合は、
生地の力をつける折りたたみを余計してやらないといけないということです。
折りたたみなしで長時間生地をおくと、過度に溜まった二酸化炭素がパン酵母の代謝に支障を来たします。
その反面、折りたたみを多くしすぎた生地は力がつきすぎ、生地の進展性がなくなりパンのボリュームが劣る…」
実用書の文章は内容が大事とは言っても、
文章が下手で中身のいい実用書なんてじつはそれほどお目にかかったことがないのですね。
写真はすくないんだけど、
分厚い専門性の高い本なのに、初心者がいちばん疑問に思っているところを解説してあり、
読み飽きない。
あと、
いまだに
「焼きたて」だからおいしい、
という言葉をみかけるのですが、
この本にもはっきり、
「まずいパンは冷めないうちに、熱々の状態でもいいから食べないとどうしようもありません。
熱がパンの欠陥をある程度ごまかしてくれます。」
とあって、
大いに共感したわけです。でもまだまだ
焼きたて炊きたて作り立て信仰は根強いのですが。
私も思わず口走るしって、むっとされたことがあるなあ。
「熱くておいしい」
熱いからおいしい、
ってそれは味を褒めてるんじゃない。むしろ料理を出してくれたひとに失礼な発言かも。
と、
自戒しています(笑)。
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