ほとんどの公立図書館には基本図書として置いてあるんじゃないかと思うんだけど、
「日本の食生活全集」ってご存知ですか。
20年以上前に発刊されたシリーズですが、昭和初期の食生活を
「聞き書」によって再現し、日本各地の食生活や暮し、行事などを
綿密に記録している、ほんとうに興味深い本なのです。
先日読んだ水木しげるの「遠野物語」のマンガから、
ふと、そういえば水木さんは鳥取、境港だったなあ、奥さんは
島根の安来だったなあ、
と思って借りてきました。
で、「島根の食事」を読んでいたら、こんな章が。
島根家松江市は大名茶人・不味公の名で知られる城下町であり、
松江には江戸後期より脈々と受け継がれてきた茶の愛好家も多く、
抹茶、煎茶、あるいは茶菓子の消費量などはきわめて多い。
あ!
ピーンときたぞ。
水木悦子さん(水木さんの次女)の書いた
「お父ちゃんと私」に、水木さんたちが「緑のお茶」(抹茶)を
好んで一日に2、3度は喫む、というエピソードがあったはずだ!
と思って見返したんですけど、水木さんの恐るべき胃大な生活を
描いた「ズイボなお父ちゃん」の章にはなく、
「お父ちゃんとジャングル」という一篇の最後に注意書きのようなポイントを下げた
活字で3行、
「水木プロの三時のお茶にはお抹茶が点てられることが多い。父の故郷では、抹茶がかしこまることなく日常で飲まれている。子どもの頃から親しんでいるから、
みんな抹茶が好き。冷気作法など関係なく、抹茶を楽しんでいるのだ。」
とあった。
あれ?もっと長い文章だと思っていましたが…。緑は緑でも観葉植物をめぐるエピソードではなかなか探せなかったわけだ。
「お母ちゃん」布枝さんの書いた「ゲゲゲの女房」のなかで、鳥取の境港と島根はわりに近いところだというような
文章があり、あらためて「聞き書 鳥取の食事」の見返しの地図をみると、ほんとうに境港は島根に近いのだった。
松江城下の影響で境港もお茶の習慣があったのかなあ。
なんて推測する私でした。
検証はできないんだけどね。
島根と鳥取も行ったことのない土地ですが、いや日本全国行ったことのないところの方が多いんですが、
いつか鳥取砂丘や出雲大社に行くことがあればいいなーと思った私でした。
ではでは~♪