穂村弘さんは1962年北海道生まれ。
1963年岩手県生まれなので、時に激しくうんうんと
うなずかされるときがあり。
それはたとえば、
「ショコラティエとの戦い」
みなさんはソムリエ、パティシェ、と間違わず発音できますか。
ソムリエは4音だからまだよかったんだけど、パティシェは人前で
発音するまでになんども練習が必要…って私だけではなかったようだ。
ショコラティエ。
ダイジョブダイジョブ。寝る前に10回唱えれば。
スパゲッティがある日パスタになったかと思ったら、
カルボナーラ、ボンゴレが登場。
でもこの人たちはまだダイジョブ。ミドルネームがないから。
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ。うわっ。
タリアテッレ・ゴルゴンゾーラ。いつも頭がうねるスネークヘアの姉妹を想像しちゃうのは私だけでしょうか。
タリアテッレ。絶対人前では言えない。間違って覚えそうだ。というか覚えられないから。
というようなカタカナのかっこいいメニューとの戦いは穂村さんの得意とするところで、
このテーマは繰り返し語られる。
カッコいい、都会的なひとと思われたい。
余裕のある、充実した人生を歩んでいるひとになりたい。
その他もろもろの口にしてしまえば恥ずかしい以上の気持ちを
持っていることをやさしく開示してくれる穂村さんのエッセイだが、
ふと、
じつはアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノなんて舌がもつれることもなく
スラスラと口に出しているのでは、
と、
穂村さんのエッセイに出てくる、自分以外はみな宇宙人妄想のようなことを
想像してみるのだった。
ところで穂村さんのエッセイは図書館から一冊につき3回から10回は借りて読んでいる気がするのだが、
まだ1冊も所有していないのはなぜだろう。
穂村さんの文体でほむほむ、うさうさと妄想してみる私だった。
(ほむほむ、も、うさうさ、も、実際に穂村さんの文章に出てきます)