リアル 井上雄彦 | 菅原初代オフィシャルブログ「魔女菅原のブログ」

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eeeeee


近所にレンタルコミックをやっているお店があって、


「SLAM DUNK」の作者の「リアル」を読み始めました。



(5巻以降は貸出があり、きょうのところは5巻まで)







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なにかで概要は読んだことがあった気がします。



「SLAM DUNK」の次に描かれたマンガは、

車いすバスケで、主人公はバイク事故で同乗者を

半身まひにしてしまった心の重荷を背負って、


車いすバスケと出会う…いやそんな感じだったので、

なんとなく自分の中でこういう感じ?というのができていました。




全然違ったよ(笑)!








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いきなり出てきた主人公、というより中心人物のひとり、

野宮君。


「SLAM DUNK」でもけっこうシブいスタイルの登場人物がいましたが、


野宮君、シブすぎ。というか、コワイ。



この野宮くんがバイク事故で、その日ナンパした

女の子に一生残る怪我を負わせてしまい、


人生すべてが八方ふさがり状態でした。



彼はごつい見かけに似合わず、心がまっすぐな

一面もあります。


時に凶暴にもなれますが、相手の女の子、夏美のために

免許をとって彼女が療養している長野まで逢いに行ったりしています。







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事故以来、乗り物に乗るのが怖くてできなかったのですが、


発奮してぎりぎりで免許を取ります。






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夏美ははじめて登場したときは、お人形のように表情もみせませんが、


リハビリの効果があってか、長野では野宮君に


「この加害者」と容赦ない言葉を浴びせるほどの回復(?)ぶりでした。


でも足は治らない。



アフロヘアから坊主頭に変えて、自分をやりなおそうと決意した

野宮君は夏美と「友達になろう」と告げます。







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もうひとりの主人公、戸川くん。



彼はスプリンターでした。中二の当時、彼の目標は100メートル10秒台でした。


その目標にあと一歩で手が届く、と思えた瞬間、彼に告げられた病名は「骨肉種」。



喪失感と孤独の2年がすぎ、彼は車イスバスケと仲間たちに出会います。



野宮くんが戸川くんと偶然出会ったきっかけは、車イスバスケでした。



高校をやめてからずっとバスケをやっていなかった野宮くんは、


ドリブルの音を聞いただけでたまらなくなり、俺にパスをよこせ!とせまります。



この場面で野宮くんが、


戸川くんから彼のバスケ仕様の車イスを強引に借りて、戸川くんはふつうの車イスに

乗っての勝負にしろ、と、いいだします。



ハンデだ、


という言葉を、自分の方がハンディを負っている、という意味で使ったのです。




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そうして、もうひとり。




やはり事故で下半身まひを負ってしまった高橋くん。


彼は野宮くんとおなじ高校のおなじバスケットボール部の主将でした。



勉強もスポーツも、なにをやらせてもAランクのオレ様、というちょっと

(いやかなり)いやなやつでしたが、



ある日彼女を盗んだ自転車に乗せて走っていて、持ち主に見つかり慌てて

逃げる途中で飛び出しでトラックに轢かれる、という、


ちょっと同情のもらえない感じの事故でした。



おまけに高橋くんはそれまでも野宮くんや、野宮くんを慕っていた下級生を

部でいじめていたりして、けっこういやなやつでしたからね。



でも、そんな高橋くんがいままでなんでもできた自分がいまはなにもできない、

ということを受け入れきれずにあがいているさまもまた、


リアルだと思うのです。





自分が通っていた高校にもう一度もどれるかもしれない、


という母親とともにやってきた高校は、あまりにも遠く、

自分の居場所はどこにもないように感じられた高橋くんでした。



いやなやつでしたが、この時の絶望感は想像を絶します。





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しかし、離婚して高橋くんの存在だけが生きがいになっている

らしいお母さんは、高校復学と大学進学にこだわります。




高橋くんの絶望や自暴自棄の気持ちが少しもわかっていないこのセリフ。




戸川くんもお母さんが亡くなったあと、自分に期待をかけることで

喪失感を忘れようとするお父さんが重かった時期があり、


また、



自分が片脚を失ってからはその自分をまともに見ようとしないお父さんに

深く傷つけられていました。



このさき、高橋くんが戸川くんと出会って、おなじチームで車イスバスケを

する日がくるのでしょうか。





「SLAM DUNK」の最後のコマは、山王との戦いで背中に負傷を負った桜木君が、


きょうのリハビリはちょっと痛いよ、と言われて、



「天才ですから」



とにっ、と笑うというものでした。





そのあとに「リアル」。




「SLAM DUNK」とは違う種類のつづきがはやく読みたい気持ちです。