きょうは図書館で長くすごしたせいか(といっても1時間半くらいなんだが、
最近は図書館ボランティア用の本選びばっかりで、あっというまに10冊選び終わっていました)
昔話をひとつ、思い出しました。
何十年も忘れていたというわけじゃないんだけど、2、3年に一度くらい思い出す物語です。
世界中にある、「シンデレラ物語」のヴァリエーションのひとつで、
あるお姫様が不幸な結婚をすすめられて、悲しみにくれて海辺で泣いていると、
一匹の海蛇がやってきて、あなたの力になろう、というわけだ。
で、
これもよくあるパターンですが、
三枚のドレス、とうていつくれそうもないドレスを作ってくれたら結婚してもいい、
と言ってみなさい、というわけで。
野の花のドレス、
星と月のドレス、
輝く太陽のドレス、
だったかな?
三枚のドレスができたところで、ドレスを籠に入れて城を抜けだし、
あとは「ロバ皮」とおなじパターンで、身を窶していてもすばらしい王子様に
見染められて結婚、という話ですよ。
政略結婚を無理強いした父王とも仲直りしてめでたしめでたしの婚礼の儀。
なんだけど!
ほんとうは、お姫様はしあわせの絶頂であの海蛇の名前を唱えなければ
ならなかったんです。心で、だったか、海に行って、だったかは忘れたけれど、
結婚式が終わって、夕方になるまでとうとう思い出さなかった。
日暮れに約束を思い出して、あわてて海に向かってあの親切だった海蛇の名前を
唱えてみても、海蛇は現れず、ただ波が打ち寄せるばかり。
あの海蛇は悪い魔女の魔法で姿を変えられたお姫様で、誰かがしあわせの絶頂で自分の名前を
唱えてくれたら(だったか思いだして心で唱えるだったか)もとn姿になれるはずだったんです。
と言う話を、
ほんとにたまに、
自分はいますごくしあわせだなあーというとき、思い出す。
誰かを、
忘れているんじゃないかとつい思ってしまう。
はじめて読んだのは小5でしたが、ふつうのシンデレラ物語とはちがう、苦い味があって忘れられない。
ふと思い出したので、書いてみました。