
2006年7月発行の本ですから、5年前になりますね。
もともと主人公が成長していくタイプの小説やマンガ、ノンフィクションがすきなのですが、
宮本さんの幼年期から少年期の痛ましい不運と、
アインシュタインとの出会いから一転して勉学に打ち込み、高校の数学教諭になるまでの圧倒的な努力に、
やはり巻置くあたわず、になりました。
アインシュタインとの出会いは当時のガールフレンド(いまの奥様)がみせてくれたビデオですが、
さらにその数年前に、大工見習いに終止符を打って、
満足して死ねるような生き方をしようと決意します。
幼年期からのいじめ、両親との相次ぐ離別、なぜ自分だけがという思いは並大抵ではなかったでしょう。
しかし、あまりにひどい同僚や先輩達からの暴言や暴力に耐えかねて、
1週間家に閉じこもって人生の意味を考え続けたとき、
宮本さんは幸せへの道を選んでいたのです。
大工見習いをやめたあと、
1ヶ月パンの耳だけ齧って食費13円というような貧乏のなかで音楽に打ち込み、
やがて音楽仲間からの紹介で建設会社に就職し、
宮本さんの人生は少しずつ光のある方へ向かいます。
自分の人生をあきらめないで、満足して死ねるような生き方をしよう、
と決意したからこその人生航路という気がします。
宮本さんは小3の算数ドリルから初めてやがて難関の大学に入り、9年間物理を学び、研究者としての道をあゆんでいたのですが、
さらに一転して教師になります。
過去の自分を救いたい思いがあったからです。
落ちこぼれやいじめのないクラスを目指して。
私も5年前の自分を思い出すと、遥か遠くまで来た気がします。
私は本当にギリギリセーフでいくつもの幸運や出会いに恵まれましたが、
自分の人生は自分が決める、と強烈に思った時から、
幸せへの道を選んでいた気がします。
というわけで、
きょうもよい一日を♪