対談、ときには鼎談に名前を並べているなかには
「下流社会」の三浦展氏もいれば、
イラク人武装グループに拘束された高遠菜穂子さんもいます。
暗器使さんという、暗黒舞踏を思わせる(私の勝手な思い込みでした…)名前の
方もいらして、
しかし「死んでたまるか戦略会議」というサブタイトルですからこれ。
当事者主義というのはどういうことか。
5章の「当事者性とはなにか」で、
雨宮さん自身がこの本のテーマを自分自身が当事者性を感じられることにした、と
話しています。
いじめ、生きづらさ、フリーター問題、戦争。
いろいろ考えさせられるテーマばかりですが、これもコンビニで立ち読みしてしまった
孤独死の特集(「SPA!」でした)と相まって、うう~と思ったのが、
親が死んだらホームレスになるしかないフリーターや、
よくチラシに出ている月収30万円の遠方での出稼ぎ仕事。
業者によるのでしょうが、寮や水道光熱費、旅費などでさっぴかれて
手元には月に12、3万円しか残らず、
仕事がなくなったから帰れ、と言われても旅費がなくて、ネットカフェ難民になってしまった
ひとたち。
ほんとにこんなひどいことになっているのか?
と愕然とする話ばかりですが、
はたしてほんとうに他人事なんだろうか、と思うことが、
当事者性のはじまりなのかもしれません。
ぜひ読んで!とおススメするには重い話もありますが、
でも読後感は案外さっぱりしているのですよ。
潜り抜けた先にすこしでも希望があるなら、そこへ向かおうとする
植物の蔓を重ね合わせました。たとえかすかでも光のある方へある方へと伸びて行く、
あの逞しい夏の蔓草を。
