『ほかに踊りを知らない。 東京日記2』
踊り、というのは「東京音頭」のことなのですが、
日記風のエッセイ集で、川上弘美なので、
虚実皮膜って感じだ。
9割はほんとうにあったことです、というのでたぶんほんとに
スーパーに行くと、謎の老女にマグロについて詰め寄られたり、
すみれ荘という廃墟っぽいところの空き部屋にはなぜか獣骨がぶらさがっていたり、
すしを予約したものの財布の軽さに胸がふさがったり、
タケノコが毎朝宅急便で送られてくるというマーフィーの法則みたいな日々があったり、
したのだろう。
語り口がうまいなあ、と思う。
一見、なんでもないようなことがシュールになってしまうんですよ。
年賀状を去年はデザイナーに頼んで凝ったものにしたのに、今年は
コンビニの印刷年賀状にした、そのことを思って涙がつっーと出た、とか。
年賀状を買いにいったら、そこの店員のおばさんが「がんばりなさいよ」と
励ましてくれたとか。
スーパーに行ったり、電車に乗ったり、お酒を飲んだり、友達に説教をしたり、
たんたんとした日常なのに、どこかふわっとしていて、時々、感情がにじむ感じがすてきだ。
というわけで、川上弘美のエッセイもすきです。
『真鶴』をもう一度よみたかったんだけど、貸し出し中だった-。
次回は借りたい。
そしてきょうはなんとすげーひさしぶりに24:00前に布団に入ろうとしております。
おやすみなさい♪
