絵本を読むようになったのは、短大時代に図書館研究会で
ボランティアで絵本の読み聞かせをやっていたからなんですが、
当時は子どもがきらいだったし、絵本もあまり読んだことが
なかったので、その良さに気づくまで時間がかかりました。
自分でやって、あ、これか?と掴んだのは
「八郎」の素読みかな。
絵本なしで、表情と声だけであの世界を読み聞かせるわけよ。
いっつも児童室でうるさくしている男の子たちまでしんとして
聞いているのをみたときは、掴んだ!と思った。なにをだ(笑)。
さて、ティッチとはおちびの意味ですが(たしか)、兄弟の末っ子、
ティッチはお母さんに褒められるわけです。
なんてきれいなお部屋って。
それにくらべて、お姉さんもお兄さんも、
お部屋がおもちゃだらけでごちゃごちゃ。
でも、すみずみまでひとつひとつのおもちゃが
じつに魅力的に描かれていて、汚いって感じはしないんですが(笑)。
お姉ちゃんもお兄ちゃんも、あふれんばかりのおもちゃの国の
王女・王子ですから、
おにいちゃんの部屋にある、カウボーイハットと
宇宙飛行士のスーツを見ると、なんだか
トイストーリーを連想しますね。
アメリカの男の子って、伝統的にそのふたつが好きなのかな?
物語の最後には、
お兄さんもお姉さんも、なんてきれいな部屋なんでしょう、
と褒められているのですが、
ティッチの部屋はといえば、ふたりから払い下げられたおもちゃたちの
王国で埋もれそう。
でもなんてしあわせそうなんでしょう。
片づけられないのはモノが多すぎるか、スペースが少ないからだという教訓を
大人は読みとってしまうのですが、
アメリカのおもちゃってカラフルで夢があっていいなあ、
という子どものおもちゃへの憧れを刺激するこの一冊。
非常に危険ですので、片づけが苦手そうなお子さんには与えないでください(笑)。





