闘魂レシピ アントニオ猪木 飛鳥新社
2002年
ダァーーーーー!!
みなさん、元気ですかー。
図書館の一般室でばったりでくわしました。
私は倍賞美津子のファンなので、いまだにアントニオ猪木をみると、
おお、あの倍賞のもとダンナだ、と思ってしまう。
もちろん、ショーケンの話を耳にするときも、倍賞のもとカレだ、
と思うわけだ。
どちらもいい男だと思うけど、そのいい男ふたりを袖にして
ひとりになった倍賞は断然いい女だと思うわけだ。
(アントンファンとショーケンファンのみなさんごめんなさい)
この本を読んだら、ジャイアント馬場と闘っていたころの
アントニオ猪木もすきでしたが、
料理をして啖う(この字のくらう、が、いちばん燃える男
アントニオ猪木にぴったりするとおもふ)猪木もかっちょええだ。
猪木は六本木にスペアリブのお店を出していたこともあるくらい、
料理自慢です。
小さい時にご両親をなくして、11人兄弟の9番目としておじいさんに
面倒をみてもらって育ち、
14歳でブラジルに渡ってコーヒー園で重労働をして、
そういう日々の間に、たべることと料理をすることを両方、自然に身に付けた
んですね。
育ててくれたおじさんもきっと猪木のおじいさんだけあって、
体の大きい、したがって手のおおきいひとだったんだろうな。
猪木の米のとぎ方からはじまる、おむすびがありますが、
これが大きくてダイナミック。
本書のまえがきに、「気」という字は「氣」と書き、米を炊く時の水蒸気をかたどっていた、
とあります。
「つまり、元気の氣は、米と火と水。元気になるための答えがここにある。
すなわち食。ひとは元気になるためには食べなくちゃならない」
猪木らしい、ブラジルで覚えた肉たっぷり料理もありますが、
冷蔵庫でよく冷やした人参をつかうのがコツという、
人参ジュースの作り方も。
じつは猪木は糖尿病を39歳で発症して、薬なしで食生活と運動だけで
克服しています。知らなかった…。
プロレスラーですから、世界各国いろんな土地にいくこともあって、
そういうとき、あ、これはこってりしてるなーと思いながらも、
心と心を通わせるために、現地の人が作ってくれた料理を平らげる侠気の
猪木。あとでめいっぱい運動すればいいや、と思うらしい。
そしてこの楽観主義が血糖値を低くするんだと言いきっています。
とても糖尿を患ったひととは思えない超健康体の猪木が
啖い、市場にでかけ、米を研ぎ、豆を煮て、文章を綴る。
倍賞美津子がなにかで、娘が幼稚園だったとき、毎日お弁当を
作っていた、と話していて、また、その娘が母になったとき、
お茶碗はプラスティックのものはやめて、落としたら割れる陶器の
お茶碗にしてね、
とアドバイスしたそうです。
ふたりは別れたわけですが、こういう、食に対するはっきりした考えには
共通するものがあるように思えて、
ベストパートナーだったんだなーと思うわけです。
食は大切ですよね。
ではみなさん、
元気ですかー!!
(これにて5月30日からチャレンジしてきた100冊終了。予定より4週間ほど長く
かかってしまいましたが)