星からおちた小さな人 佐藤さとる コロボックル物語3
講談社
コロボックル物語全五巻の全貌が見えてきた気のする、3巻目。
1巻目の主人公であり、コロボックルの最初の人間の味方である
せいたかさんとおチビ先生(保育園の先生で、しかも小柄だったから)の
あいだに、小さな女の子が生まれていました。
その子がこの物語では重要な役割を果たすのです。
人間につかまってしまったコロボックル。つかまえた少年はコロボックルで
いちやく有名になり、お金持ちになっている自分を夢想しますが、
コロボックルの世界では、捕らわれたコロボックルをどうやって援けるか、
頭を寄せ合い、まだ子どものコロボックルたちが救出に向かいます。
…せいかたさんの幼い娘がやがて成長して、5巻目の「へんな子」、正子の親友になるんですねー。
やがて生まれるその弟は正子の勤める図書館の児童室に通うようになり、
正子とチャムちゃん(おチャメさん)の再会につながる…
海外のファンタジーでは時間も空間も大きく動きますが、この日本のファンタジー、
コロボックル物語はせいたかさんが少年から結婚して、その子どもが若者になるまでの二十数年であり、
空間もコロボックルが住んでいる鬼門山のある町とその隣町くらいの、
小さな世界です。
その小さな世界のなかで、コロボックル達は自分たちの国を発展させて
いきます。
この巻ではコロボックル特製の飛行機、というか、飛行するための翼が登場し、
それが非常に詳細で、飛びたい気持ちを誘われるのでした。