2010年春の女王戦 9 ふたつの電話  1 三宅さん | 菅原初代オフィシャルブログ「魔女菅原のブログ」

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かけようか、かけまいか、迷っていた。


もし、勝っていたら、メールで連絡がくるはずだし、もうすこし
待ってみようかな。もしかして、いま、収録中だったら悪いし。


明日にしようかなあ。

向こうから連絡がくるまで、何も聞かない方がいいのかなあ。


えいっ、と思い切って電話をすることに決めたのだった。


それは東京予選の夜遅く。

菅原は三宅さんの勝敗の行方が気になっていた。


東京駅で別れた時の、さとうさんの言葉が蘇る。



「あたし、今回すっごくプレッシャー感じてて、
だからいま、すごくうれしいんです」


さとうさんは、いままで、一度も第一、第二代表として
本選に出たことがなかった。


そうだっけ?


2008年春の女王戦では大阪予選に出場したものの、番組推薦枠だった。



2008年秋の混合戦では、最終代表決定戦で本選行きをきめて、

2009年春の女王戦は仕事がいそがしくて出場しなかったし、

2009年秋の混合戦は、最終代表決定戦で…。


あ、本当だ!



気づかなかったなあ。



「だから、スタッフにも、今度は推薦枠はないから、と
言われていたし、第二代表決定戦はたいてい容量勝負になっちゃうし、

そこまでいったら、トモちんには勝てないし、



絶対、第一代表になりたかったんです」


そんな思いつめているようには見えなかったけれど、そういえば、
あの序盤から中盤のハイペースと、終盤でのいきなりのペースダウンは、

ふだんのさとうさんの食べ方ではなかった。

飛ばして飛ばして、安心したかったんだろう。背中に張り付いている、
プレッシャーを振り払うように。


三宅さんに電話をかけるまえに、そんなことを思い出していた。


マネージャーに、歌手デビューの宣伝にもなるし、と勧められて、
3年ぶりに予選から出ることになった三宅さんのプレッシャーも、

また重い。


わんこそば選手権に出るために、長距離バスで(華やかにみえる三宅さんだが、
ふだんは質素です)さとうさんと来てくれたとき、


三宅さんの友達の美香さんと5人で遊びながら、

女王戦に出たくなったなーと言っていたことも思い出す。


三宅さんはまちがいなく、東京予選トップ通過クラスの
容量をもっていると思う。


ひいきの引き倒し、ってやつだと
思いますか?


三宅さんは2007年の女王戦に出る前に、たとえば、
コロッケ4kgを食べきる、というトレーニングを
していました。肉の4kgの比じゃないですよ、芋は。


この時の予選にコロッケが出たとき、三宅さんは
にこにこしていましたが、4kg食べきった自信が支えていた
笑顔だったのでしょう。


ただ、そのときの大会で三宅さんは完全燃焼してしまった、
と、思っていました。


そのあとの女王戦でさとうさんが出てきたとき、
あ、このひとは三宅さんのすきなタイプだなーと思って、


もしも、三宅さんがここにいたら、と思うことはあり、


三宅さんが負担を感じない程度に、いまの女王戦は
楽しいよー、みんな和気あいあいで、と勧めたこともあった…。


私のひとつの理想というか、夢は、

昔、黄金伝説でやっていたような、大食いの賞金稼ぎで
日本中をまわる、というのを、

正司さん、三宅さん、私の3人でやるというものでした。


その夢を描いたのは2007年の女王戦が終わって、数か月したあたりですが。


正司さんがまだ、「賞金稼ぎ正司」と言われていたころです。もう、そんな
とってつけたようなニックネームは忘れられたと思いますが。



「負けちゃったんですぅ」


三宅さんの第一声は、雨に打たれた子猫、みたいな、
思わずバスタオルにくるみたくなるようなものでした。


ええええええ。


宮西さん、桑野さんには申し訳ないですが、

私の読みでは、容量は三宅さんがぴか一で、


熱いものでは宮西さん、


桑野さんは進化の途上にあるけれど、ただ、第一代表決定戦の
あとの、しょぼんとした様子からしても、


たぶん、それほどはこないだろう、と思っていました。


つまり、宮西さん、三宅さんの戦いだろうと。


(桑野さん、桑野さんのファンのみなさん、ごめんなさい)


思っていたんですが。


食材は容量勝負だろう、という予想を立てていたんですが、
外したか?


食材は、


焼きカレー。


ど、どんなやつ? 初耳なんですが。


って、放映もまだ見ていないのでいまだに本性はわからん。

「とってもおいしかったんですよー」


それで、宮西さんが後半、ペースダウンしたところで、
勝てるな、と思っていたら、僅差で負けてしまったんです、


と。


ほんとうに僅差だったようで、


ディレクターの小口さんから、三宅さんは推薦枠、という
声も出ていたという。


ああ、そうか、それで確定ならいいなあ、と思ったが、

三宅さんの実力をみせつけてほしい、とも思う。


三宅さんの本領が発揮されるのは、3回戦だ。


(この時は当然ながら、今回の思い切った構成は
予想だにしていなかった…てっきり、いつもどおり、


1回戦 へんなもの。素材勝負。あまいもの。


2回戦 肉。固いもの。揚げもの系。


3回戦 ごはんもの。容量勝負。


4回戦 肉か魚。揚げもの。


5回戦 肉か魚。揚げものじゃなかったらステーキ。


決勝 ラーメン



だと思っていたのでした。


やってくれたな!テレビ東京!


むしろ、快哉をさけびましたけどね、ブラボーって。


ま、それはおいといて、


三宅さんの底力をみせるのは、容量勝負の3回戦だと思っていて、

そこまで顎力の不安をどうにかどうにかこなしてくれれば、



三回戦なら、三宅さんは残れる!


と思っていたんです。


年末に放映された、「マルコポロリ!」(関西テレビ)のスペシャルでは、

淡路牛の牛丼を食いドル4人で75杯食べきる、というのがあって、


私が20杯、三宅さんが15杯、実桜ちゃん14杯、佐藤さん(アンジェラ佐藤)13杯

でした。


助っ人として白田さんも参戦すると聞いていたので、わーいわーい、なロケだった…


で、おわかりいただけるでしょうか。


異例中の異例の見本、歩く奇跡の人、みたいな実桜ちゃんが14杯で


三宅さんが15杯ですよ。


このとき、白田さんが、感に堪えたような声で、


「三宅、すげえなあ」



と何度も言っていたのが印象的でした。


話はそれますが、実桜ちゃんの実力をけっして下にみているわけではないです。



実桜ちゃんの実力はみな知るところでしょう。



でも、三宅さんがじつは匹敵するほどの力を持っているということを、
宣伝してみたかったわけです。


ふだん仲良くしている人であっても、大食いの力がある、というのが
証明されると、さらに深くすきなるところが私にはあります。



この15杯の牛丼をたべた三宅さんは、すごくかっこよかったです。


というわけで、私はわがことのように、悔しかったわけだ。


でも三宅さんは負けたことにいつまでもこだわっていないで、
最終代表決定戦に出ることになっても、


今度は絶対勝ちます!


勝って正司さんや菅原さんと一緒に旅をつづけたいです!

と言ってくれて、


私はそうか、それは間違いなくできるはずだし、




「健康診断で会おうね!」



(大食い選手の合言葉~♪)



と電話を切ったのでした。

(つづく)