…壁にはブリューゲル、ヒーロニムス・ボス、
ポール・デルヴォー、パルテュス(バルテュス)、
チャペラ、サルヴァドール・ダリなどの複製画をかかげ、
…この箇所を読んだ時、私はダリ以外知らなかったし、
ブリューゲルの絵は、雪景色の狩猟を思い浮かべただけでした。
16歳の少女がつくった「モンク」という喫茶店の、
「中世の修道院風に、暗く陰惨」な装飾をイメージするために、
当時在校していた高校の図書室の、禁帯出の赤いシールの貼ってある、でかい美術全集を手に取りました。
田舎とはいえ、進学校だったので図書室で本を読んでいるのは私くらいで、
それこそまわりとの体温差にサビシイ気持ちでしたが、『聖少女』ワールドにハマった私には、
図書室の机でカリカリカリカリ勉強している他の生徒の群も、
そんなのカンケーねぇ!って感じだ(笑)。
ダリ、ボス、ブリューゲルはあったのですが、
デルヴォーとバルテュスの絵を見るのはもっとあとになります。
30年前の私は、美術館にも通ったことはなかったし、美術全集に載っている絵を、
美術展に出かけて、間近で見ることなど思いも寄りませんでした。
思えば遠くへきたものだ。