60歳のラブレター 7 ミッシェール! | 菅原初代オフィシャルブログ「魔女菅原のブログ」

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深夜の病室に響く、ビートルズの「ミッシェル」。


ギターを片手に祈るように歌いつづけているのは、

イッセー尾形。が、演じる魚屋の正彦。


彼はもともと、ビートルズのコピーバンドのボーカルで、

妻の光江は、集団就職で東京に出てきた金の卵世代。


同僚に誘われてやってきた、ビートルズの日本公演。

だけど、とてものことに、会場には入れずじまいで。


しかたなくやってきた公園で、ビートルズのコピーを

やっていた正彦と出会い、


それからはそのバンドの追っかけをやっていて、

いつしか正彦と結ばれたというわけだ。


ふだんの光江はチャキチャキしていて、

まだどこかでロマンを追い求めてる正彦の尻を叩いて

いる感じだけど、


脳腫瘍が見つかって手術することになった日、


正彦に、押し入れのたてつけを直しておいてよ!と

言うんですが、


それが光江のラブレターでした。


その日は、正彦の60歳の誕生日。


押入れには、大きなピンクのリボンのついた、

ギターケースが。


私は音楽にも楽器にもうといので分からないのですが、

ウォーキングのたびに正彦がやるせない表情でショーケースを

眺めていたギターだったのです。


「これくらいのへそくりはあるのだ!」


という、光江らしいメッセージカードを読んだ正彦は、

ギターを抱えて、夜の病院で手術後いまだ意識の

戻らぬ妻のために、歌い奏でるのです。


ミーーッシェーーール!


光江の愛称はみっちゃんでした。


みっちゃん、生きて還ってくれ、愛してる、


そんな想いをギターで語る正彦。


産科もある病院なので、新生児室の赤ん坊が、

いっせいに泣きだし、娘・真紀の産んだ赤ん坊を見にやってきていた

孝平と医師である静夫も、この音のもとである病室へ駆けつけます。


意識の戻らない妻に捧げるビートルズ。



このビートルズが、孝平を揺さぶったのです。


懐かしい曲を聞くと、当時の自分を思い出すのかもしれません。


孝平は(なぜか)ちひろと出会った当時のジャンパー(としか

いいようがない)とオカマ帽(ってわかりますか?金田一耕介がかぶっている

ようなやつです)をまとって、絵を描くのです…この辺りがなんとも孝平…。


自分に酔っているんだなー。


そこを男の可愛げとみるか、勝手にしやがれと突き放すか。


…しあわせになれるのは、前者の方だと思いますけどね。