『本当はちがうんだ日記』 穂村弘著
集英社 2005年6月30日
自分が男だったら、こういう人なんじゃないかと思って、
恐れつつついうっかり読んでしまう。
だって、男なのに発想が私にそっくりなんですもの。
いまはなき、「オリーブ」というマガジンハウス社のお洒落な
女の子のための、いわば、おばさんのための「暮しの手帖」みたいな
雑誌があったのですが、
穂村さんは「オリーブ」を読むんです。
その心根は私とおんなじだ。輝かしい眩しい世界を
そっと垣間見る思い。
なぜか本棚に、素敵な女性の24時間、みたいな本がある。
男なのに。いや、なんかそういう本を読むと参考になるんだよね…
私が男っぽいのか、穂村さんがおばさんっぽいのか。
それとも思わず、私も私も、と思わせる、これは歌人のたくらみなのか。
とかいいつつ、新刊が出たと聞けばとりあえず、読んでしまう。
エッセイも歌集も。
で、このエッセイ集になぜか唐突に、
みつはしちかこさん、登場である。
「ファンレターを一度だけ書いたことがある。小学校三年生のとき、
漫画家のみつはしちかこさんに出したのだ。当時、私は『小さな恋のものがたり』
という作品を読んで恋愛に憧れていた。」
「返事は来なかったが、次巻の「北から 南から」という読者コーナーに
掲載されていた。」
という内容なんですが、いきなり、みつはしちかこさんである。
しかも、このエッセイは、ほのぼのとした少年の日の思い出に
続くのではなく。