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寮祭。
もう四半世紀(!)も前になりますが、私が通っていた短大の
学寮では、寮祭というものがあって、まあ、文化祭なんかもそうですが、
やっぱり食べ物の販売というものをやるのですね。
女子寮ですし、短大には家政科・食物科がありましたし。
というわけで、寮は4階建てで、一階が事務室とか大浴場、
集会場、食堂などがありますので、
2階がこまくさ、3階がこでまり、4階が芙蓉。
私はこまくさ寮。高山植物なのに2階とはこれいかに。
でもラフレシア寮だったら、ちょっとヤダ。
巨大な腐敗臭を発する肉食の花。名前の響きが
素敵すぎるのがまた罠なんですよね…
ラフレシアと言えば、マゾーンのラフレシアですよ。
松本零士の。マゾーンって、アマゾンの女戦士からの
名前ですよね。今気が付きましたが。
話が逸れましたが、こまくさ寮ではクレープ屋をやることに
なったわけだ。
大量のクレープを前の晩にある程度焼いてストックを
作っておくわけですが(できたてだと生クリームが
溶けてしまうし)、高さ十数センチのクレープの山を焼いたのは、
誰あろう、この私さ。
ウェイトレス係も、クレープのトッピングも、当日他の
係の仕事があってできないので、じゃあ、焼きますわ、と。
私には妙な才能があって、
薄焼き卵とか、きゅうり・にんじんの千切り、
玉ねぎのみじん切りなどが上手い。
クレープも、下手な人だと中央部がだんだんポコ!っと
盛りあがってきてしまうもんだが、
私が焼いたものは、100枚積み上げても、真っ平らなんですよ。
私はクレープは鉄製のフライパンで焼くのが一番おいしいと
思っていて、よーく油をなじませたフライパンでじゃんじゃん焼いた
わけだ。テフロン加工のものは、どうも香ばしさが足りない気がする。
レシピは114歳からずっと愛用していた『秘密のケーキ作り』
マドモアゼルいくこ(主婦と生活社・21世紀ブックス)のものでした。
とても焼きやすい生地なので、参考までに材料を引用しますと。
・牛乳300cc ・卵2個 ・薄力粉120g ・バター大匙1 ・サラダ油少々 ・バニラエッセンス少々
というわけで、クレープと言えば寮祭。黙々と積み上げるクレープ皮。
生クリームをホイップしてバナナやチョコレートシロップ、フルーツ缶詰で
デコレーションするのは、食物科の、ミスタードーナツでアルバイトしていた
女の子だったなあ。いま久しぶりに彼女を思い出しましたよ。
みなさんは、クレープと言えば?