ところで、乱歩の「鏡地獄」って、有名なんでしょうか。
私はそうとう好きでしたが。
鏡やレンズ、反射などの光学の不思議に憑かれた男が、
自分自身を全体が鏡でもあるような、球体(特注品だ)に
閉じ込めるのだ。
球体のなかに出現したのは、いったいどんな悪魔じみた
光景だっただろう。彼は狂気の中で息絶えた。
というような短篇小説なんですが、
たまたまの偶然なんですが、乱歩のその「鏡地獄」を読んだ日に、
多湖輝の「頭の体操」を借りてきていたんですね。
その中にありましたよ。
全体が鏡でできている球体の中に入ったら、
いったいそこに何が映るか?
答えは、
「なにもうつらない」。
ええええーーーーー。
モノが見えるというのは、「光」「視力」「モノ」の3つがなければ
成立しないのですね。球体の鏡地獄は、光の入る隙間がないわけで、
ということは、なにも見えないのでは…。
乱歩の「鏡地獄」を読み返すと、、
照明で光を取り入れる工夫はしてあるようです。
あーよかった。
それにしても、多湖輝さん、「鏡地獄」にヒントを得たクイズだったと
思うんですが。
私はまさか鏡の球体のなかに入りたいなんて思わなかったんですが、
いったいどういう風に映るだろう、と、想像するのは好きでした。
みなさんは、あわせ鏡をやったことはありますか?