愛のような話 金井美恵子 (中央公論社)短篇集。なぜか「1+1」の繊細なセコさにうっとりしてしまう。台所の換気扇から流れてくるにおいをあてっこしながら、都電の駅まで歩く二人。サンマの塩焼き、肉ジャガもしくは肉ドーフ、タマネギとジャガイモと豚肉を炒めているにおい、ニンニクをバタで炒めているにおい…同じ事務所で果てしない分類作業をつづける、二人の男たちは、なんとなく『間宮兄弟』を思わせる。