本をよむ子ども 3 | 菅原初代オフィシャルブログ「魔女菅原のブログ」

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それは、50冊以上完食、じゃなくて、完読(って言うんでしょうか)した

生徒と、読書週間の標語、ポスターなどの表彰式を明日にそなえた、

放課後の掃除の時間だった。


菅たんは小学校一年生から、高校三年生まで、


学校に遅刻したことは数知れない劣等生だが、

掃除だけはさぼったことがなかった。


褒めてくれとは云わないが、ま、そういう、気の利かない、

冴えない、愚図なやつだった。


そこへ。

菅たんの友達が来て。クラスは違うんだけど、

時々、一緒に帰ったりしていたんである。


彼女は菅たんと正反対で、本は読まないが、成績優秀。
運動神経抜群、手先も器用で、まあ、音楽は苦手だったが、


美術も得意で、表彰台の常連といっていい少女。


なんで友達なんだとお思いでしょうが、
保育園時代の「居残り組」仲間ですよ。


居残り組で、一番良くやったのが、
魔女ごっこだった…。


話はもどって。


「ねー、菅たんも明日、賞状もらうでしょ。

だって、いつも図書館に行ってるし。100冊は読んだでしょ」


と、グーちゃん(仮名)が話しかけているところへ。

「こいつなんか、ダメだよ。全然、記録つけてないし」


突然、割って入った男の子がいた。S君としよう。

なぜか菅たんを毛嫌いしているS君だった。


どういうわけか、菅たんが他の子と話していると、
割って入って、菅たんをひどく悪く言う、のが常だった。


いじめっ子というわけでもなく、

菅たんに対してだけそうだったんである。


なぜだ。


勉強がまったくできないくせに、妙に堂々として、授業中も平気で居眠りをして、

算数だけは分かっている、という、大柄な女の子は、いけ好かないのだろうか。


好かれたいわけでもないのでいいですよべつに。


S君が、こいつなんかダメダメダメ、と、宣言して踵を返したあと、

ムラムラと燃えたのが、グーちゃんだった。


「あんなこと、言わせておくつもり!」

って、菅たんを怒らないでほしいなあ。


昔から思っていましたが、人は、怒るべき相手に怒らず、

その場にたまたま居合わせた、罪もない、大人しい人に

怒りを炸裂させがちじゃないですか? 


グーちゃんは云った。


「図書室いこ!今日中に50冊読むよ! 

菅たんは賞状もらう権利があるんだから!」


えー。そんな権利返上していいですう。菅たん

おうち帰りたいよう。おうちで本を読んでいたいよう。


しかし、グーちゃんはどんどん突き進んでいった。あわてて追いかける菅たん。

さあ。図書室の閉館時間まで2時間を切った。


菅たんは、S君に一泡吹かせてやることができるのだろうか。


ってか、本当に賞状なんてどうでもいいと思っていることを、
菅たんは、グーちゃんに言えるのだろうか。


愚図な子ども、菅たんの受難のはじまりであった…(つづく)