土佐の海の青と、山の緑。
西原理恵子さんのマンガには、よく土佐の海や山が描かれますが、
ほんと、こんな景色を毎日みて育ったら、
ずいぶん、ものの考え方も違うんだろうなあと思うほどで。
結婚前に、お腹を大きくした房江さんと中居君は、
勤め先もオン出されて、
かといって、故郷は還る場所にはあらず。
二人は汽車とバスを乗り継いで、南へ南へと、あてもなく流離います。
とうとう、たどり着いた岬から見える、青い海と新緑の中で。
二人は、いっそ、という思いを振り払って、
どんなに苦しくても二人で店を持とう、この小さな町で、と、
決心するんですが。
その雄大な光景と、魂をゆさぶるような音楽がたとえようもなく、
いいんですよー。
久石譲さんでした。演奏は東京フィル。
音楽と、大自然の交響曲といえば、
モノクロ版の「砂の器」。
房江さんが、赤ん坊を背負って「嘆願書」への署名を求めて、
紅葉の山の中や、深い雪山を歩く場面も、やはり、魂を
ゆさぶられっぱなしで。
ふと「砂の器」を思い出してしまったのでした。
あちらも、やはり土佐の海辺を流離う親子のものがたり、
ですし。交響曲と土佐の海ってあうんだこれが。
「砂の器」はモノクロに限る、って、言いすぎでしょうか。