向田邦子さんのエッセイに「手袋を探す」というタイトルのものがあって、
ひどく心に沁みたのを憶えています。
美意識の高い、若き日の向田さんは、気に入った手袋を探しつづけて、
寒い冬に手袋なしのまま…。
とうとう風邪をひいてしまいます。
「君のそれは、手袋だけの問題じゃないのかもしれないね」
と、上司に指摘され、思い当たるところがあったが…
というような内容だったのですが、
私にもそんなところがあって、図星をさされたよ!
という気持ちになったものです。
で。
今は11月ですので。
来年の手帖を探し続けています。
ま、最後にはしぶしぶ妥協するんですけど。
妥協した手帖が一年過ぎると、
ちょっと草臥れた、ナイスな相棒って感じになるんですけど。