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TEARFUL

・・・涙の記録・・・

史織が心許したそのヒトは、
今のそのヒトであって、そのヒトではない。

史織が逢いたいのは、
過去のあのヒト。


出逢った時は、考えていなかった。

あのヒトからの行動で、
まるで霧につつまれたように、
気づいたらそばに連れてこられてた。
そんな感じ。


当時を懐かしく、こうやって思い出しても、
今のあのヒトとは違うから。

だから。
考えれば考えるほど、胸が痛い。
同じヒトなのに、
史織にはもう、永遠に逢えないヒト。



確かに、誤解されてしまった行動は、
同時に、利用しようとするヒトにとって、
十分すぎる行動だったかもしれない。

・・・そして、それは、その通りに利用された。


ホントは、誤解を解きたい。
史織の意図するのとは違った形で
受け取ってるんだと思うから。

でも。
“誤解を解く”という行動は、自己満足なんだって。

そう言われようと、思われようと、誤解を解きたい。
そう思うけど。
また利用されるのかな・・・。

誤解を解こうともがくたびに
深みにはまっていく気がする。

だから、動かない方がいいのかもしれない。


そうやって、じっとしていて。
噂に耐えて。
史織の精神は、いつまで持つのだろう。




噂されていることがわかって。

1人で抱えているのが辛くて、
ついこないだまで、そばにいてくれた同僚にメールした。
“貴女がどんなに史織を支えてくれていたか、よくわかった”

詳しい話はしなくても、彼女はすぐ気がついた。
「何かあった?」

彼女はいつも励ましてくれて、支えてくれてた。
でも、頼りすぎちゃいけない。
グチばかりの友達なんか、みんな、いらないでしょ。
友達、失いたくないから。

だから、彼女のメールを読んで、泣いて。
泣いて、なんとか、なんとか耐えることにした。


ちょっと誤解をまねく行動をしたせいで
・・・というか。
その行動をうまく利用され、
地に落ちた史織。


うわべだけの付き合いってこういうコトを言うんだな。

みんな、いい大人だから、
無視したり、全く話さないってコトはないけれど、
明らかに態度が違う。

噂が周りを巡っているのがわかる。
直接は聞かれないけど、
外堀からそぉっと聞いてくる。

「あ、このヒトもウワサ聞いたんだな」


史織はただ、
うまくやっていきたかっただけなのに。
ただ、円滑な関係を築きたかっただけなのに。

その行動を、利用した、そのヒトは・・・



以前、史織が心を許したヒト。