ゲゼルシャフトとゲマインシャフト、久しぶりに目にしました。このFBのご友人が、今回のわが国の大手自動車メーカーの関連する企業の不祥事について、ドイツのフォルクスワーゲン社の不祥事と今回のわが国の不祥事について上記の社会類型から論じておられました。
このゲゼルシャフトとゲマインシャフト、社会学を学ぶ者にはまず目にし耳にする言葉です。私自身も学園紛争が吹き荒れるなかで学んだ入り口がこの言葉でした。家族社会学の重鎮からは「夜這い」のことも教えられ、これ社会学の範疇なのかと驚いていたことなどを覚えています。今から半世紀以上も前のことです。
ドイツの社会学者テンニエスが説いた社会類型のひとつです。
ゲゼルシャフトとは、人間の地縁、血縁、精神的連帯を意味する言葉です。また、ゲマインシャフトとは観念的、機械的構成体を指す言葉だと要約されています。
当時、確かこのゲゼルシャフトをセコンダリーグループの一つであり、ゲマインシャフトはプライマリーグループであったように記憶しています。前者は土地や地域に起因する人的なつながり、また後者のゲマインシャフトは、人間による組織体や機能体を合理的、機械的につくり上げられたものだ、とです。
今回のわが国の大手自動車メーカーの不祥事、それはドイツのものとは違いゲマインシャフトの善意による重過失犯だと位置づけておられたのです。それにこの特徴は組織内に溜まりやすく、企業本体にも影響するサイレンなキラー細胞にもなり得ると書かれていました。つまり組織能力を蝕んでいく、と。
わが国の当該企業、在庫をつくらないジャストインタイムのシステムも構築され、一時◎◎◎の看板方式とも唱えられてきました。組織が組織の進化を産むシステム。また現場ではアナログ的な「カイゼン」などの問題や課題解決の方式、そのための「なぜなぜ運動」もつくられてきました。
同じ間違いを繰り返させない改良、解決提案の方式です。そんな先進的企業が何故?との想いも明滅します。素人考えで何の根拠もないのですが、その組織を動かし、稼働させていくのも基本は機械やシステムではなく人間である、と想うのです。
どう企業の経営の方々が、その合理的、機能的な思考を、インクルーシブした思想、それも変化への適応でフェーズや次元が変化していっても変わらずの思想の体系、つまり哲学的な思考が、末端のあらゆる方々にも絶えず浸透できていたのかどうか。その確認が経営者の方々に出来ていたのかが、今回の事象からでもうかがい知れる、と感じていました。
つまり変化への適応には、多くの方々への痛みも生じるのです。世界一の販売台数を誇るだけでなく、組織をつくる多くの人たちの痛みを感じる力が、トップの方々のなかに減衰してはいなかったかどうか。そんな想いも明滅するのです。
創業家の”原点に戻る”、とはそのような創業期の土臭い活動をどう昇華し、止揚させ現在、未来に適応させていくのか。これは経営者の仕事なのです。こんな例えしか述べられないのですが、本社前にお蚕小屋を建てるとか。桑の葉を育てるとか。ゲゼルシャフトの土着の活動も遺されていくのもいいのかなァー、と妄想していた次第です。
この業界は裾野に多くの企業も擁しておられるのです。いち早く留まり、前に進んで行ってもらいたい、とこの投稿を書きながら感じてもいた次第です。
2024年2月3日 NOBU