「宇宙くらい楽しかった!」
遊園地の帰り道、次女が言った。
私と繋いでいる左手がじっとりと汗ばんでいる。
よほどいい顔をしているのだろうと見ると次女の顔は泣き顔だった。
繋いでいた手を離し顔を拭うと、次女は、また手を繋いできた。
楽しかった時間が終わってしまうことが、急に悲しくなったのだろう。
私もかつて子供の頃に感じた気分である。
私も次女もしばらく無言で歩いた。
「おなかすいたね。うどんとか麺が食べたい」
前を歩いていた長女に声をかけられて、次女の顔に一気に元気が流れ込んでくる。
私の手を放して長女の元に走って行き、今度は二人で話しながら歩き出した。
「お姉ちゃん、うどん?ラーメンも食べたくない?」
「ラーメンもいいねえ」
「今日は麺の気分だよね」
私の耳に届く、二人の弾んだ会話が心地よい。
「ママはねえ…太い縮れ麺がいい」
子供に聞こえるように言ってみると、二人は立ち止まって笑った。
三人で手を繋ぎ、遊園地の余韻が残る幸福な麺談義に、私も加わった。