老人が言った「そっちは危険だよ」


若い男は返事もせずに走って行った。





ある時、また老人が言った「そっちは危険だ」


その家族は笑いながら会釈をして歩いて行った。





道の先は、確かに黒い霧がたちこめていて見えない。





老人はここで座ったままの生活に


ただ年を重ねていた。





それから、さらに数年が経ち


老人の寿命はそこでなくなった。


天国に昇る時に


上から見た、その黒い霧の先には楽園があった。



神々の虫メガネ-roujin