「ねぇお兄ちゃん、街はどうしてこんなに賑やかなの?」
『そうだね、サラはどうしてだと思う?』
「私は・・・・・・そうだ!雪が綺麗だから!!きっと雪の妖精を歓迎するためね!」
『ははは、それはいい考えだ。でもね、本当は、雪の妖精じゃなくて、
12月24日、つまり今日の夜にサンタさんを迎えるためなんだよ。」
「サンタさん?」
『サンタクロースって言って、子ども達にプレゼントをくれるおじいさんの名前だよ。」
「本当?じゃあ私たちの所にもきてくれるかな??」
『ここを見つけてくれたらね。』
そう言って、エレンは笑いました。
サラとエレンは、捨て子でした。
今、彼らは家と家の間の隙間で、細々と暮らしています。
彼らには、ジョージというとても優しく、頼りがいのある兄がいて
彼が二人の親代わりに働いて、生活を養っていました。
彼らの所にサンタさんが来たことはありません。
エレンにはそれが一体どうしてなのか、わかっていました。
しかしサラは、それがどうしてか全く知りません。
“サンタさん来てくれたかなぁ!”
クリスマスの日、目を輝かせながら覚ますサラの姿が目に浮かびます。
エレンはどうしても、サラに何かプレゼントを用意したいと思いました。
しかし、一生懸命自分たちを養ってくれているジョージに
プレゼントを頼むわけにもいきません。
雪道を歩きながら、エレンは一人、サラに何を送ろうかと考えていました。
周りを見渡すと、赤い実をつけたナンテンの木がありました。
彼はそれで、リースを作ることに決めました。
それは小さくて、決して立派なリースとは言えませんでしたが、
赤い実がキラキラと輝く、可愛らしいリースでした。
そして、夜。
「おやすみ、お兄ちゃん!」
『おやすみ、サラ。』
星達が燦々ときらめく中、二人は眠りにつきました。
そっと、サラの枕元に、あのリースを置いて。
[あぁ、どぅしたものか、、、、]
男性は悩んでいました。
“ィャ、ルルは本物のお花が欲しいの!沢山のぬいぐるみ何かより、
手作りが欲しいの!!!”
彼には、大切な一人娘がいました。
彼は大きな会社の社長。だから娘の欲しそうな物は
なんでも買い与えていました。
しかし今年のクリスマス、サンタさんのとは別にあげたぬいぐるみが
娘はお気に召さなかったらしく、
可愛い娘のため、彼はまた、寒い中
プレゼントを買いに来たのでした。
[とは言っても、もうこんな夜中に花屋は開いていない、か、、、。]
仕方ない、もういくら探しても、みつからないだろう。
そうあきらめて帰ろうとしたとき、
彼は路地の奥に、小さな可愛らしいリースがあるのを見つけました。
[これならきっと喜んでくれるだろう!]
そう思って彼はそのリースを取ろうとしましたが、
その近くに寝ている二人の子供を見て、
なんだか申し訳ない気持ちになりました。
[すまないね、このリースはもらっていくよ、
もしこんな物でよければ、受け取っておくれ。
そして、もし困ったら、ここに訪ねてくるんだよ。いつでも助けてあげよう。]
彼は、二人の枕元に、娘に受け取ってもらえなかった
沢山のプレゼントをおきました。そして、エレンのポケットの中に、
“Thank you.”と書いた彼の名刺を入れました。
“ぅゎぁ、可愛い!パパ、ありがとう!!!”
その日の、彼の家の夕食は、とても楽しく
素敵な物となりました。
【おはよう、エレン、サラ!、って、あれ・・・?】
次の日、つまりクリスマスの朝、夜勤明けにもかかわらずクリスマスの
いつもより豪華な食事を持って、いつもより元気に帰ってきた
ジョージは、その光景を見て驚きました。
「ん、、、おは・・・ぁっ!!サンタさんが来てる!!」
『本当だ!!すごぃ・・・すごいよ!』
エレンとサラの目の前には、沢山のぬいぐるみや毛布、クッションなどが置かれていました。
みんな、ジョージが・・・とエレンは思いましたが、ジョージが目を白黒させているのを見て、
ジョージが買ってきてくれたのではないのだとわかりました。
プレゼントを一通り見て、
それからしばらくして、エレンはあのリースがないことに気づきました。
そして、何故かポケットに入っている紙に書いてある言葉を見て、
昨日の夜どういうことが起こったのか、
なんとなく想像がつき笑いました。
それは何気ない日常の中で起こった、
とても小さな小さな奇跡。