Radiohead "Hail To The Thief" | Back To Back

Radiohead "Hail To The Thief"

前回のエントリーが2006年の10月で、今日が2008年の12月10日。

もう全く忘れ去られていたかのようなこのブログ。

なぜだか急に続きが書きたくなって、選んだアルバムが"Hail To The Thief"。

言わずと知れたRadioheadの通算6作目(93年発表)のアルバムだ。

ちなみに彼らを取り上げたのは、前回のTV On The Radioとの"Radio"つながり、と…

Neil Finnの次作にRadioheadからEdPhilのリズム隊二人が参加 、との報を聞いたからで、全く大きな意味なんてない。

加えて新譜でもなんでもなければ、歴史的名盤と呼ぶには早すぎるタイミングだし、かといって彼らの傑作中の傑作というわけでもない。

強いて挙げれば、個人的にはちょっとばかり恨みったらしい&愛おしいというアンビバレンスな作品だと思っている。


Back To Back-Hail To The Thief


というのも、初めて世に出たときのリリース形態が、これまた言わずと知れた悪名高きCCCD盤だったからであって、何も問題のない人は良いだろうが、レディオヘッドが聴きたいがために初めてCCCDなるものに手を出した自分なんかにとっては、CDプレーヤーの動きがおかしくなった全ての元凶がこのアルバムなんである。

なのでそれ以来、CCCDというものは"CDの形をした異物"でしかないと考えている。

CCCD ― 今となっては、レコード会社にとっても完全なる過去の誤算だろうし、CDショップのワゴンセールで数百円、もしくは中古ショップなら100円程度で売られていたとしても、自分は決して手は出さないのである。


が!このアルバムそのものの価値については、全くそれとは関係ない。

先ほどはレディオヘッドにとっての傑作中の傑作ではない云々…と書いたが、OK ComputerKid AAmnesiacと続いた革新的レディオヘッド像が、一部の心ないファンの声で「総括的」「発展性が感じられない」「なんでバンドサウンドに戻ったのか」などなど、まるで過去の人のような扱いになってしまったのが残念でならないのであって、自分的には十分過ぎるほどの傑作である。

確かにこのアルバムをそういうディテールとかパーツごとに分解して捉えていると、そういう風に思っても仕方のないことなのかも知れない。

しかし明らかに1stからOK Computer期のバンドサウンドとは一線を画しているし、打ち込みを多用した前2作の流れとはまた違ったリズムへの接近を試みている点で、この作品は実に先鋭的だと思ってしまう。

こんな音を鳴らしているバンドが、それこそ他にいるだろうか?

(何ていう諸手をあげて"Radiohead 万歳!"てことをするから、他のバンドのファンから叩かれることも多いんだと思いますが・・・)

なので出た当時にもよく聴いたが、通常のCD版として再発された際にもう一度買いなおしてからは、さらに愛聴盤となっている。


余談だが、彼らが去ったのちにEMIが勝手に編集盤として世に出した"The Best Of Radiohead"について。

個人的には、実は一番とがった部分とメロディアスな部分を両立しているように感じるのは、このアルバムからの(2枚組版だと)3曲だったりする。

その方向性をよりスムーズな表現で推し進めたのが、最新作であり傑作である"In Rainbows"だと思うのは、自分だけだろうか?