Fiona AppleとRufus Wainwright
この季節になると甘い匂いが家中に満ちています。我が家の玄関先にある金木犀の香りです。家の近くを歩いてみても、あちこちの庭先で少しオレンジがかった黄色の花から、ふわ~っと鼻の周りを包み込むように漂っています。
自分が一年の中でも最も好きな季節なのが秋なのは、一つにはこの花のせいもあるのかも知れません。
最近は年中、その花を浸した桂花陳酒 で身近に感じている人達もいるんじゃないかと思いますが、やっぱり独特の強い芳香はこの季節ならではのもの。人工的な花のエキスで作ったキンモクセイの芳香剤なんかとは、全くの別物。
この香りがしてくると秋が深まったことを一層実感するんですけど、その名前を思うとき、色で"金"・樹木なので"木"、じゃぁ最後の"犀(サイ)"は何だろうと気になります。同じように疑問に思う人も多い?、として調べてみました。あの角がある動物と、この木の関係は何なんでしょう。一説には、その樹皮の感じがサイの皮膚と似ているからだそうです。桂花陳酒の"桂"はカツラの木ではなく、中国語で"木犀"を指すそう(参照ページ )。
そんな強い匂いにも負けない濃密な香りを放つアルバムで思い浮かべたのが、次の二つ。
昨年6年ぶりのアルバムで復活したFiona Appleの2枚目"When The Pawn "と、Rufus Wainwrightの1枚目"Rufus Wainwright "です。
この二つの作品はこれまでにも紹介してきた、プロデューサーであるJon Brionという人間によってつながっています。それは音の質感にも表れています。が、何よりもこの二人のパーソナリティから放たれる強烈な個性。それが金木犀とも共通の、鼻腔をちょっとくすぐるするような独特の香りを、それぞれの作品に染み込ませています。
どちらも聴いていると100年ほど前のヨーロッパ世界にタイムスリップしたような、上質のビロードで包まれているようなそんな印象を受けます。その一方で、雑然とした酒場で聞いていようとも、決して埋もれることの無いであろう芯の強い声。安易にキャバレーミュージック風とかジャズ風だとか言う言葉で片付けたくないのは、二人の、対照的ながらも"流されまい"という強い意志をビシビシと感じるから。ソングライティングの手法で言えば、ピアノを中心とした曲作りでも共通項のある二人です。後、ドラマーはどちらもJim Keltner。
そんな二枚が全く違うんだとすれば、Rufusのアルバムは終始穏やかなトーンで進められていくのに対して、Fionaのアルバムは時にネコがそっと忍び寄るように静かに、時に嵐が襲ってきた時の荒波のように激しく、アルバム中どころか一曲の中でも目まぐるしくその表情を変えるところ。Sg.にもなった"Limp "では特に顕著です。彼女のかわいらしい一面が見れると言う意味では、日本盤に収められている"Across The Universe "のカバーもお薦めですが、アルバム全体のトーンで言えばちょっと違うかな、と思ったりもします。ちなみにRufusのアルバムでは2曲に、先日Joanna Newsomのアルバム参加も伝えられたVan Dyke Parks が参加しています。若い才能を見抜く力が素晴らしいです。
この二つのアルバムを聴くと、"夜"と"秋"を連想せずにはいられない自分です。少し肌寒いくらいがちょうどいい。
・Rufus Wainwright Official
・Rufus Wainwright MySpace
・Fiona Apple Official
・Fiona Apple MySpace
自分が一年の中でも最も好きな季節なのが秋なのは、一つにはこの花のせいもあるのかも知れません。
最近は年中、その花を浸した桂花陳酒 で身近に感じている人達もいるんじゃないかと思いますが、やっぱり独特の強い芳香はこの季節ならではのもの。人工的な花のエキスで作ったキンモクセイの芳香剤なんかとは、全くの別物。
この香りがしてくると秋が深まったことを一層実感するんですけど、その名前を思うとき、色で"金"・樹木なので"木"、じゃぁ最後の"犀(サイ)"は何だろうと気になります。同じように疑問に思う人も多い?、として調べてみました。あの角がある動物と、この木の関係は何なんでしょう。一説には、その樹皮の感じがサイの皮膚と似ているからだそうです。桂花陳酒の"桂"はカツラの木ではなく、中国語で"木犀"を指すそう(参照ページ )。
そんな強い匂いにも負けない濃密な香りを放つアルバムで思い浮かべたのが、次の二つ。
昨年6年ぶりのアルバムで復活したFiona Appleの2枚目"When The Pawn "と、Rufus Wainwrightの1枚目"Rufus Wainwright "です。
この二つの作品はこれまでにも紹介してきた、プロデューサーであるJon Brionという人間によってつながっています。それは音の質感にも表れています。が、何よりもこの二人のパーソナリティから放たれる強烈な個性。それが金木犀とも共通の、鼻腔をちょっとくすぐるするような独特の香りを、それぞれの作品に染み込ませています。
どちらも聴いていると100年ほど前のヨーロッパ世界にタイムスリップしたような、上質のビロードで包まれているようなそんな印象を受けます。その一方で、雑然とした酒場で聞いていようとも、決して埋もれることの無いであろう芯の強い声。安易にキャバレーミュージック風とかジャズ風だとか言う言葉で片付けたくないのは、二人の、対照的ながらも"流されまい"という強い意志をビシビシと感じるから。ソングライティングの手法で言えば、ピアノを中心とした曲作りでも共通項のある二人です。後、ドラマーはどちらもJim Keltner。
そんな二枚が全く違うんだとすれば、Rufusのアルバムは終始穏やかなトーンで進められていくのに対して、Fionaのアルバムは時にネコがそっと忍び寄るように静かに、時に嵐が襲ってきた時の荒波のように激しく、アルバム中どころか一曲の中でも目まぐるしくその表情を変えるところ。Sg.にもなった"Limp "では特に顕著です。彼女のかわいらしい一面が見れると言う意味では、日本盤に収められている"Across The Universe "のカバーもお薦めですが、アルバム全体のトーンで言えばちょっと違うかな、と思ったりもします。ちなみにRufusのアルバムでは2曲に、先日Joanna Newsomのアルバム参加も伝えられたVan Dyke Parks が参加しています。若い才能を見抜く力が素晴らしいです。
この二つのアルバムを聴くと、"夜"と"秋"を連想せずにはいられない自分です。少し肌寒いくらいがちょうどいい。
・Rufus Wainwright Official
・Rufus Wainwright MySpace
・Fiona Apple Official
・Fiona Apple MySpace

