Rhett Miller "The Instigator"
毎日暑いですね。お盆も近いので実家に帰省している人も多いとは思いますが、夏のうっとおしい空気を吹っ飛ばしてくれるような、この一枚。暑気払いにどうでしょう。さわやか~
ジャケまでさわやかなRhett Millerの"The Instigator"(扇動者)ですが、さわやか過ぎて厭味なんてことはありません。さわやかな感じがするのは、メロディーの風通しの良さからくるのであって、決してルックスとか甘めのボーカルなんていう要素からくるのじゃないのです。ボーカルもどちらかと言えば、男味溢れた力強い声質を持った人です。まあ2003年来日時のライブでは、サインもらいに行ったのが8割方女子だったらしいですが・・・。今年のUDO Fes.のために来日もしましたが、UDOフェス散々だったみたいなので、トップバッターだったRhettの前の人だかりもおおよそ予想がつきます。でも、この作品の出来とは関係ありません。
Old 97'sでボーカルを取るRhettの、94年"Mythologies"に続く02年のソロ2作目。Old 97'sもRhett自身も、この作品で一気に知名度を上げたと思われます。Rhettの他の作品はめったに見ないのに、このアルバムは中古盤屋でもしょっちゅう見かけるくらいの高浸透盤。と言うか、何でこれを売り払う?男子のひがみか、女子の移り気か?まぁそれだけ売れたんでしょう。
さて、前回のJosh Freeseもここでドラムを叩いているのですが、このカラッと乾いた触感は陽性の雰囲気を持つこのアルバムにガッチリとハマっています。このアルバムにはドラマーが3人参加しておりますが、一人目がJosh、二人目は今作のプロデューサーでもあるJon Brionで、残る一人は大御所のJim Keltner。Jim Keltnerと言えば、Paulを除くBeatlesのメンバーの各ソロやRy Cooderとの仕事、Steely Danの"Aja"や我らがPaul Westerbergの"Suicaine Gratifaction"等々、数え上げればキリがない参加作にして名作の数々。派手なタイプではないものの、Jon BrionがProd.したFiona Appleの2作目や、Jonのソロ"Meaningless"にも参加し、信頼されているのもさすがの安定感です。この3人の中では、本職ではないJon Brionの"This Is What I Do"におけるドラミングがもっとも派手です(このアルバムでも一番ポップな曲だと思われます)。
ドラマー以外ではRobyn HitchcockやDavid Garza等の客演も光ります。いやー何度聴いても、いいアルバムです。Jon Brionの音作りも、ポップ職人・ポップ巧者と言われるだけあってツボを押さえた仕上がり。
この作品後、プロデューサーをGeorge Drakouliasに変えて"The Believer"を出しましたが、このアルバムほどのトータル感や抜けのよさを感じることはできませんでした。"扇動する人"から"信じる人"に変わってみた彼でしたが、やっぱり主体性を持って取り組んだ方が良かったんでしょうか(笑)。音楽は「メロディとリズムとハーモニーから成る」とは言われますが、この3つが理想的な配置で組み合わさった作品の一つが、このアルバムだと思います。
ジャケまでさわやかなRhett Millerの"The Instigator"(扇動者)ですが、さわやか過ぎて厭味なんてことはありません。さわやかな感じがするのは、メロディーの風通しの良さからくるのであって、決してルックスとか甘めのボーカルなんていう要素からくるのじゃないのです。ボーカルもどちらかと言えば、男味溢れた力強い声質を持った人です。まあ2003年来日時のライブでは、サインもらいに行ったのが8割方女子だったらしいですが・・・。今年のUDO Fes.のために来日もしましたが、UDOフェス散々だったみたいなので、トップバッターだったRhettの前の人だかりもおおよそ予想がつきます。でも、この作品の出来とは関係ありません。
Old 97'sでボーカルを取るRhettの、94年"Mythologies"に続く02年のソロ2作目。Old 97'sもRhett自身も、この作品で一気に知名度を上げたと思われます。Rhettの他の作品はめったに見ないのに、このアルバムは中古盤屋でもしょっちゅう見かけるくらいの高浸透盤。と言うか、何でこれを売り払う?男子のひがみか、女子の移り気か?まぁそれだけ売れたんでしょう。
さて、前回のJosh Freeseもここでドラムを叩いているのですが、このカラッと乾いた触感は陽性の雰囲気を持つこのアルバムにガッチリとハマっています。このアルバムにはドラマーが3人参加しておりますが、一人目がJosh、二人目は今作のプロデューサーでもあるJon Brionで、残る一人は大御所のJim Keltner。Jim Keltnerと言えば、Paulを除くBeatlesのメンバーの各ソロやRy Cooderとの仕事、Steely Danの"Aja"や我らがPaul Westerbergの"Suicaine Gratifaction"等々、数え上げればキリがない参加作にして名作の数々。派手なタイプではないものの、Jon BrionがProd.したFiona Appleの2作目や、Jonのソロ"Meaningless"にも参加し、信頼されているのもさすがの安定感です。この3人の中では、本職ではないJon Brionの"This Is What I Do"におけるドラミングがもっとも派手です(このアルバムでも一番ポップな曲だと思われます)。
ドラマー以外ではRobyn HitchcockやDavid Garza等の客演も光ります。いやー何度聴いても、いいアルバムです。Jon Brionの音作りも、ポップ職人・ポップ巧者と言われるだけあってツボを押さえた仕上がり。
この作品後、プロデューサーをGeorge Drakouliasに変えて"The Believer"を出しましたが、このアルバムほどのトータル感や抜けのよさを感じることはできませんでした。"扇動する人"から"信じる人"に変わってみた彼でしたが、やっぱり主体性を持って取り組んだ方が良かったんでしょうか(笑)。音楽は「メロディとリズムとハーモニーから成る」とは言われますが、この3つが理想的な配置で組み合わさった作品の一つが、このアルバムだと思います。
