Sonichrome "Breathe The Daylight" | Back To Back

Sonichrome "Breathe The Daylight"

今日は昨日のSemisonicに続いて"Sonic"つながりで、一部のリプレイスメンツファンには知られている?バンド、Sonichromeの"Breathe The Daylight"を。


Breathe The Daylight



このアルバムを出したきりで、解散の憂き目に会ってしまった悲しき短命バンドです。日本盤はとっくの昔に廃盤になってるし。ただ、それだけだとあんましイメージ良くないですが、本国アマゾンのカスタマーレビュー では軒並み5つ星評価で、パワーポップファンには人気は高かったようです。

Vo.Chris Karn(以下、クリス)が他のバンドで音楽活動を始めたのは、奇しくも昨日のSemisonicの前身バンドが始まった時と同じく1986年。そして、このアルバムが世に出たのはSemisonicがブレイクした1998年。残念ながら商業的な意味では、対照的な道を辿った両者ですけど、どちらも良質のメロディを持ったバンドサウンドという意味では共通してます。

で、何で一部のMatsファンに知られているかと言えば、某雑誌でも比較の対象としてリプレイスメンツの名前が挙がってたことと、Vo.クリスの影響源に他ならぬThe ReplacementsPaul Westerberg)が挙げられていたこと。彼のフェイバリットアルバムにも、ちゃんとMatsの"Tim "が入ってました(他にはR.E.M. "Life's Rich Pageant "etc)。先ほどリンクしたアマゾンのレビューにもEverclearGoo Goo Dollsに混じって"The Replacements"との比較がされてたので、まぁ妥当なとこでしょう(蛇足ながら、某巨大掲示板でもMatsのスレに名前が挙がってた)。

単に若手バンドがMatsのことを尊敬してる、ってだけなら他にもゴマンといる訳ですが、特にクリスがヒーローとしていたのがThe SmithsJohnny Marrだと言うのは、他のバンドとの大きな違いかも知れません。アメリカンインディーだけではなくヨーロッパからの影響が、音作りにも微妙に表れてるかも。実際、ギターのリフや音色にMatsらしい影を感じることもあるものの、ボーカルスタイルやリズムセクションに関してはあまり"リプレイスメンツや!"という感じは受けません。ただ1曲目の"Over Confident"や10曲目"Saloman"・13曲目"Cellular"(邦盤のみ)あたりは、疾走感もある上に、Matsとその他の影響を上手くブレンドしていて好きな曲です。全くMatsぽさが無ければ無いでMatsファンからの注目もなかったでしょうけど、良くも悪くも売れなかったことで、その後ファンの目を気にして駄作を作るようなこともなかった。そういう意味では自分のやりたいままに作ったこのアルバム一枚だけで終わったのも、却って良かったのかも知れません。

デビューして一年の間には"Never Been Kissed "(尊敬するR.E.M.やThe Smiths、そしてSemisonicらと)、"Blast From The Past "(同じくR.E.M.やEverclear等)といったサントラにも参加しているので、当時のシーンからもそれなりの注目はされていたようです。そう思うとちょっと残念な気はします。

しかしながら現在、クリスは2004年から始まったDecca Treeと言うバンドでインディーズでの活動をしています(MySpaceのバンドのページ )。影響を受けたアーティスト名には、The Replacementsの名前は見当たりませんが、自分で封印した・・・?会ってみたいミュージシャンにMorrisseyPeter BuckともちろんJohnny MarrとPaul Westerbergを挙げていたクリスでしたが、実際に会えたんでしょうか。彼に一度訊いてみたいもんです。