今から18年前、父が心臓にペースメーカーを入れる手術をした際、病院の帰りに、このビルの展望台兼カフェで母とお茶しました。

その風景を本日、同じ場所から眺めました。

作品の搬入があり、そのついでに寄ってみたのです。

以前と変わらぬ風景。

左に見えている山は猿投山です。

父が入院していたその時、母が意識不明になり救急車を呼んだことがありました。

母と初めて救急車に乗りました。

以後5回、母に付き添う形で救急車に乗りました。

真夜中の町を救急車で病院に向かうとき、不思議な安堵感に包まれていたのを覚えています。

救急隊員の方達のてきぱきとした動き、処置、大丈夫ですか、という声掛け、医師が待ってくれているという安心感、そして、握る母の手のぬくもり…

不安よりも安堵感のほうが勝っていました。
最後の5回目は早朝の強い癲癇、ひきつけ、119番の向こうから心臓マッサージをして下さいと言われ、後にも先にも人生でただ一度きりの心臓マッサージを母に施しました。

父は母の手を握り締めただ泣くばかりでした。
その日の夕刻、母は旅立ちました。

あれから10年の歳月が経ちました。

同じ建物の北側からの風景です。
中央奥の小高い山は小牧山です。

母と見た風景を、今また見つめ、心静かにその場所を立ち去りました。
また母に会うことがあれば、あの景色を見ながら一緒にクリームソーダを飲みたいなあ、と思いました。

お盆、待ってるからね。