愛知県の知多半島にある半田市に親戚の用事に出かけまして、その帰りにお遍路をして参りました。
昨年の8月、ゴンの口にできた腫瘍が悪性か良性か、その結果を聞く前の日に父ゴンと巡って以来のお遍路でした。
ゴンのいない初めてのお遍路です。
母を失い8年が過ぎましたが、その間100回以上巡った知多四国霊場は常にゴンと一緒でした。
一度たりともゴンを留守番させた事はありませんでした。
本日巡った3つのお寺は、母の供養に巡っていることを知った奥様がいつもゴン兄にとてもよくしてくださる、ゴン兄お気に入りのお寺を含む3寺で、駐車場や近くの公園、菜の花畑などをゴンとともに歩いた思い出深い地です。
お遍路を始めた当初、父とゴンに持たせようと2冊用意したご納経帳は昨年の10月のゴン旅立ちの折に1冊を持たせましたので、手元には父の分の1冊しかなく、1冊のみを携えてのお遍路旅も今回が初めてとなりました。
美しい新緑の田園地帯を走り、懐かしいお寺の門をくぐり、お大師様に手を合わせました。
弟のように可愛がっていた愛犬がみまかりまして、と奥様に伝えたところ、ご接待のお菓子をゴンちゃんにお供えくださいと持たせてくださり、またお越しになられるのをお待ちしています、これからもゴンちゃんと一緒にお巡りくださいね、とお声掛けをくださいました。
半島の西側に南北に伸びる産業道路を、ゴンと何十回走ったかわからないその道を名古屋方面へとひたすらハンドルを握りしめ帰って参りました。
左手には製鉄所やコンビナート、右手には小高い丘に緑の公園や住宅地、ゴンと巡った頃と変わらない懐かしい風景がどこまでも続いておりました。
無事自宅へと戻り、助手席のゴンの絵と一緒に車を降り、ゴンにありがとうと伝えました。
帰ってすぐ、お留守番をしてくれていた菜々ちゃんとお散歩に。
どんよりとした曇り空を仰ぎつつ、温かな風に吹かれつつ、またゴンと行きたいなあ、菜々ちゃんと行けたらいいなあと、いつかのその日に思いを馳せました。