ひとつ前からのつづきです。



たいちゃんズ キッチンカー始動。

自由ロック祭に向けて。

 

ところで、ククくん、
特に食べられないものとか、
苦手なものはありますか?

たいきくん、

赤鉛筆を小耳にはさんで訊きに行ってきた。

ちょっと小雨模様、カッパを着てね。

こんこん。
どちらさまですか。

たいきです。

お入りください。

ありがとう。
 

 

そのぉ、
あのぉ、

えっとぉ…

たいきくん、
タイ料理だから、

それを外してほしいというのは、まことにもって申しづらいことなんだけど…

パクチーだけはどうにも苦手で…


ククどの、
いやあまったくもって同感!

それがしも、あいつだけはいかんともしがたく。

受け入れがたいよね。

食べられないよね。

外しましょう!

決定!

そう兄じゃに伝えます。
しかとこころえた。

おいとまつかまつる。

 

 


それで、パクチーなしのタイ料理を作ると、ククくんと約束してきたと?

だってさー、あんなにくっさい草はないよ!

ボクだって嫌だもん。

みつばとかミントとか、なにか、ほかの香草があるだろ、にーちゃん、そういったのにさ、変えちゃえ、変えちゃえ!

 

はぁ…。

どした、兄貴。

 

ふぅ…。


だからどしたの?

 

もういい。

たいき、

おまえ、

全然、

ぜん  ぜんッ、

ぜんッッッ

 

 

 

ぜん、
タイ料理の何たるかが、わかってない。

 

もういいよ。
はぁ…。

 

 

いやいやいやいや…


パクチー、みんな嫌いだし!

少なくとも!

少なくとも、にーちゃんは嫌いじゃないぞ!

…。

…。

いやいやいやいや…

おかしいでしょ。

ありえんでしょ。

アリエールだよ、たいき。


え、

え、

えーーーーーーッ!!

兄弟なのに、こうも嗜好が違うものか。

たいきは唖然とした。

つづきます。