母を亡くした8年前、ゴン兄は失意の底にありました。友人に涙ながらにその悲しみを話すと、お母さんはいつもあなたと一緒にいる、例えばあなたのその左手、それだってお母さんなんだよ、お母さんから生まれたあなたの肉体はお母さんの一部でもある、とそう言われました。その日から自身の左手が母となりました。眠る時は、右手を心臓の上に置き、その上に左手を重ね、左手を母だと思い今も眠りについています。
ゴンと別れまもなく3ヶ月が経とうとしています。ゴンは自身の弟でありましたから、やはり自分のどこかのパーツにゴンが宿っていると考えたい。ラッキーねーさんがゴンを失い食欲がなかった時に、ゴン兄さんが食べている時、ゴンちゃんも一緒に食べてくれているよと言ってくださったので、食いしん坊兄弟の我々にはそうか口なのかと思っておりました。しかしゴンは自分の両眼であることにこの頃やっと気づきました。ずっと同じ景色を13年もの間見続けてきた兄弟、これから先も自分が見つめる景色はゴンが一緒に見てくれている景色に違いないと。
明日9日、栃木県宇都宮市の保健所まで父と一緒に推定年齢7歳と思われる柴犬の女の子に会いに行ってきます。東名高速道路をひたすら東へ、横浜の手前から圏央道という都心を回避し関東地方を孤を描くように北上できる高速道路があるらしく、そこから東北自動車道へ。お昼過ぎに先方が面会時間を設けてくださいましたので、それに間に合うよう早朝に出発したいと思います。
左手に富士山を仰ぎ、やがて右手に東京の街をはるかに望みつつ、そして正面に日光の男体山、その景色をゴンも一緒に見つめてくれている、そんな思いでハンドルを握りたいと思います。
幸いなことに、豆助くんと元太くんもご一緒してくださるそうで、こんなに心強い事はありません。それでもまだ座席には若干の余裕がありますのでご一緒してくださるワンちゃん、かなりのロングドライブにはなりますが、またおやつにはきびだんごくらいしかお出しできませんが、それでもよろしければぜひご同行ください。
茶々ママ、ゴン兄になにかありました時は、どうかよろしくお願いいたします。
では行ってまいります。


旅のお供(BGM)



元太、出発だ‼️
ママがゴン兄さんについて行ってやれって‼️


う〜ん、豆兄ィ、かなりの長距離だっていうじゃないか。なんだか疲れそうで嫌だな。


そりゃ道中ではきびだんごくらいしか出ないみたいだけど、到着した宇都宮では餃子が食べ放題らしいぞ‼️


えっ‼️

餃子が食べ放題なの⁉️

行く行く‼️


それに途中、富士山の朝焼けが拝めるんだ‼️

おー‼️

まぶすぃい‼️

ママさん、豆助くん、元太くんのお写真を使わせていただいております。




再追記

諸事情あり、自宅を出発するのが午前8時半から9時頃となりました。現地に4時前には到着できればと思っています。

皆さんの暖かなコメント、アドバイスありがとうございます。明日は安全運転を心がけて行ってまいります。


追記

みなさんに大切なことをお伝えしておりませんでした。

明日柴犬の女の子を連れ帰ることはできません。搬送ボランティアの方々により21日の日曜日朝に宇都宮を出発、その日の夕方愛知県の我が家に到着する旨、愛知県の動物愛護団体の窓口の方から連絡を受けております。衰弱し亡くなってしまった男の子のこともあり、女の子があと10日以上を保健所で過ごすことを考えるといたたまれないと先方にはお伝えしましたが、日程を変える事は難しいようです。きっとロングドライブでも負担がないようなその方法に慣れた方たちの搬送であるのだとそう考えています。また後日連れて来てくださる時に我が家の状況を確認される、そういった取り決めになっています。

このことで声を上げることによって、女の子を譲り受けることができなくなってしまうことも考えられますので、先方のやり方に従うつもりです。ご縁さえあれば女の子は必ず我が家にやってきてくれるものとそう信じています。