2020年9月14日放送されたNHKのドキュメンタリー番組、『事件の涙“気づかれなかった障害”とともに」~えん罪からの再出発~』をオンデマンドで見ました。この事件は発達障害というキーワードが気になっていたニュースでした。
事件の概要は2003年に人工呼吸器をつけている患者のチューブを故意に抜いたとして殺人罪で懲役刑12年を強いられた元看護助手、西山美香さんが服役中の検査で、軽度知的障害と発達障害(ADHD)であることが判明し、2020年3月に再審で無罪判決が証明されたというもの。
発達障害ゆえに主張を冷静に伝えられないことや、後先を考えずに他人の意見に迎合してしまうことが、えん罪を招いたと判断されました。
美香さんは、取り調べを受けている最中、取り調べ中に刑事に抱いた好意を利用されてウソの自白を引き出され事件に巻き込まれてしまったのです。
ドキュメンタリー番組の中で美香さんは「裁判官(再犯の)が涙を流しながらもう西山さんに
嘘は必要ありません。
普通の女性として過ごしてください。」と言われたことが嬉しかったとおっしゃたことに共感し涙が出ました。
私も美香さんと同じADHDがあり、ウソもわりと平気でついてきた人生を送ってきたので美香さんの事件を他人事には感じることはできませんでした。
このドキュメンタリー番組を見て昨年夏に図書館に行った時に50歳からというタイトルに惹かれて読んだ本、広瀬裕子さん著書の
「50歳からはじまる、
あたらしい暮らし」
を思い出しました。
50代をどう過ごし、
60代を迎えたらよいのかを
考えさせられた本でした。
今までは先のことはほとんど考えずに、その場しのぎで時には必死に、時には今が良ければいいやんと、時には流されて、時にはもがきながら生きてきました。
そして50歳になった時に変えたいと焦り、先を考えずに焦ったので51歳で壁にぶつかって身動きが取れなくなってしまいました。
この本には「いくつになっても100%人生に満足することはなく、そのことが次の原動力にもなるが、満足しても、しなくても、肯定しても、否定しても人生は進む。それならば肯定しよう。
“まずは自分の
人生を認め
折り合いをつけよう”
認めれば素直にオープンになれる。
いいことも、そうでないことも折り合いをつけ、人生という時間の中に織り込んでいく。
人生は長距離レース、そこに勝ち負けはない。それぞれの時間をそれぞれが生きていく。
自分のペースで湧き上がる感情ややってくる出来事と折り合いを付けながら自分で見つけた地図、フォームで歩いていく。
そのときは
なるべく風通しが
良いほうがよい」
と書いてありました。
それを読んで私にとって風通しの良い生き方とは何だろう?と考えてみました。
それは1人で
抱え込まずに
隠し事をせず、
ウソをつかずに
素直にオープンに
生きていくこと。
50代、次に大きな問題が起きれば、それを改善していくには時間は限りなく少なくなっていく。
でも今ならまだ52歳、自分の人生に折り合いを付ける中で心と魂を成長させて豊かな人生にしていくことは可能なはず。
自分の人生に折り合いを付けるとは、背伸びや無理はせず障害を含めありのままの自分を大切に生きていくことだと思います。自分だけでなく、他の人たちもありのままに受け入れ大切にしていくことでもあると思いました。