【第13話『1人きりじゃないんだよ(前編)』】 | Numberless

【第13話『1人きりじゃないんだよ(前編)』】

今回は私、柏木由紀のお話


舞台は7月15日、テスト間近の平凡な1日

の、はずだった・・・



本日最後の授業の終了を知らせるベルが鳴るのと同時に、

亜樹ちゃんが私の腕を掴んだ

吃驚する私をよそに、

私の腕を引っ張って教室の外に出る

「亜樹ちゃん、帰りのHR出ないの?急ぎの用事なの?」

そう尋ねても、亜樹ちゃんは此方を振り返ろうとしなかった

その様子に、私は不安になる

私からでは、亜樹ちゃんの表情が見えない




もしかして、怒ってる?

昼休みまでは普段通りだった筈だ


じゃあ、そのあと――――

私は自分の行動を思い返す

しかし、いくら考えても、亜樹ちゃんを怒らせた原因が分からない

無意識の言動が、なにか気に障ったのかもしれない

嫌われた?

そう考えてしまう私は、バカなのだろうか?


小さい頃から人見知りの激しかった私は、

小・中学生時代は本が友達だったと言える



今目の前にいる亜樹ちゃんこそが、人生で初めて出来た友達なのだ


だから、この行動がなにを示すのか、

友達付き合いの乏しい私には分からなかった

もし、亜樹ちゃんに嫌われたら――――

考えただけで泣きそうになる私は、弱い人間なんだろう


ぎゅっと強く、下唇を噛んで涙を堪える




怒らせて、そのくせ泣いて


そんな人間、きっと嫌いになるに決まってる




高校でも、本だけを読んでいたらよかったのかな


友達付き合いなんて、私に不釣合いな事に試みなければ良かった



そうすれば、嫌われる悲しみも知らずに済んだのに・・・





ネガティブな考えに陥っているうちに、

私は屋上まで連れてこられていた