旅行三日目。~大晦日~
雨も夜半に上がり、奈良の空は青空一色。朝食も早々に恒例の春日大社詣に出かける。

猿沢池を横切り奈良ホテルの屋根が見える辺りから参道に入ると可愛い鹿が出迎えてくれる。
向こうの飛火野から射す光が子鹿の背模様を雪玉のように浮かび上がらせ 今年も我が家最後の子鹿Nが右に左にシャッターを切る。

紅い社殿が見えるとFが「あ~、おみくじ引こうかな~、どうしようかな~」とそわそわし始めた。嘘のようなホントの話だが、Fは記憶にある限り一度の(凶)以外は(大吉)を連覇。さすがにプレッシャーが掛かる。←この(凶)というのが就活の年!!
「引いちゃえ!引いちゃえ!(凶)でも最後は夢叶ったんだから、ドーンと、ドーンと!!」と言うことで藤簪揺らす巫女さんから鹿みくじを頂く。

・・・「持ってる・・」
・・・「やっぱり・・」
・・・「は~~~~~」
ということで、最強Fは今年も見事に『大吉』を引き当てた。

それから、春日大社、若草山、二月堂、東大寺と いつものルートで回り小町通りで昼食を済ませ両親の待つ実家に向かった。


お墓参りをしてから実家に帰ると 街中にお寺や神社の参道を照らすぼんぼりが巡らされ、世話人の父が奔走した姿が見えるようだった。
車から荷物を下ろし、まずはお仏壇に手を合わせる。それから、私は裏の花畑で調達した花材で床の間、玄関、離れの生け花をし、母が作っておいてくれたお節料理を二つのお重箱に詰めた。
母は私が仕上げるお重箱をことのほか楽しみにしていて、「綺麗やわ~」「料亭みたいやわ~」と言って喜ぶ。今年はFが丸の重箱を詰めたので余計に嬉しそうだった。

それから、F、N連れてお土産担いで(←なんせ今年のお土産はフライパン!!)叔母宅へ。従妹のHちゃんも混じって年末総決算みたいに話に花が咲く。そして、ここでも叔母自慢の盆栽から千両、葉牡丹、水仙、梅を調達し生花をして、またすっかり暗くなった道を急いで実家に戻った。
玄関を入ると 年越し蕎麦のお出汁のいい匂いがしていた。慌て台所に入りお蕎麦に錦市場で買ってきたニシンの甘露煮をのせて『紅白歌合戦』が始まった座敷に運ぶ。
そして、
母「も~、お婆ちゃんらぁにはわからへんな~。AKB何ちゃらかてSやらYやらいてますやろ~」
父「せやけどママ、北島三郎ばっかり歌とても新しい年 明けへんでぇ。毎年同んなじ歌ばっかりやんかぁ。」
N
「ミーシャ 最高!!赤い砂漠に爽やかな青空!!カメラアングル、歌声、わ~、圧巻~!!」
F
「待て、待て、待て~い!!このマシャ(福山雅治)を見よ!!もはや神、神々しい~~!」
私
「森光子さんと勘三郎さんのショット、切なくて駄目・・・・・・・・」
またまたF
「三輪明宏様、美人でハンサム・・・!!」
またまたN
「で、今年の『天城越え』、どう落ちるかっ!!」
と、好き勝手なことを口にして 座敷机の上をお茶とお菓子でいっぱいにしながら「新年あけましておめでとうございます。」のご挨拶まで賑やかに過ごした大晦日の夜だった。

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